No. 1588

借金を繰り返してきた夫が
心から信頼できる存在に

(山形県RT/60代女性/看護師) 

定年を迎えた夫から告げられたこと。「退職金で借金を返済した」。大ショックでした。 

これまで、どれだけギャンブルにつぎ込んできたか。6年前は、700万もの借金が分かり、貯金を切り崩して返済。「もう二度としない」。その言葉を信じました。ところが、今度も800万円の大金を。あの約束は何だったの!? 夫への信頼が一気になくなりました。 

思いも寄らない気持ちに

それから半年後にも300万円と、止まらない夫の借金。悔しくて、毎日泣いて、お金のことも諦めきれない…。苦しい心を祈願していると、思いも寄らない気持ちが出てきたのです。妻として、私の何がいけなかったのだろう。思い出したのが、賭け事をする理由が、職場のストレスと、2年前に発症したパーキンソン病への不安と聞いたこと。その時の私は、病気になったつらさを理解していただろうか。夫の苦しみを分かろうとせず、お金を失った悔しさと責める気持ちしかなかったと反省しました。 

さらに思い返したのは、夫の父親も弟もギャンブル好きで、お金に苦労したという話。そういうものが家系に流れていると思えた時、夫だってどうにもできなかったのだろうと、初めて妻として寄り添えた気がしました。 

通じ合えている実感が

その後、夫婦で60歳の神魂の儀(長寿の祝い)に参列し、結婚してからの歩みを振り返ると込み上げるものが。そして、夫に言えたのです。「今まで支えてくれてありがとう」。「85歳の儀式も一緒に迎えられるように支え合っていこう」と二人で誓い合え、感動のひとときでした。 

数日後、夫が腰を圧迫骨折し、自宅療養に。ところが、心から尽くせないのです。心の奥底にある、夫を信じきれない思いがくすぶっている…。何度も神示を読み、「夫を心から支えられる妻になりたい。応援してください」と祈願していたある日のこと。夫の足を洗っていると、小さな指が何ともいとおしく思えるのです。 

“信じきれない気持ち”がなくなっている…。「かいてくれ」と言う夫の背中に手を当て、優しいぬくもりを感じながら思いました。夫に触れられるのは、生きている今だけ…。「お父さんのこと、大事にしないといけないね」と言ったら、「僕への愛情をひしひしと感じるよ」と。心底、通じ合えている気がして胸がいっぱいでした。 

何でも夫婦二人で向き合って

夫婦で今後の話し合いをした時、自らギャンブル依存症を克服したいと言う夫。治療を始めて以来、ピタリと止まりました。「またするんじゃないか」という不安が全くありません。“信じきっている”ことが夫にも伝わるのか、私への接し方が今までと違うのです。何でも話してくれ、言葉や態度から愛情を感じます。 

生活に苦労した家で育ち、お金への執着心が強かった私も、少しずつ変わりました。夫婦で過ごす時間が大切と思え、私の一番が、お金ではなく、夫になりました。病気の影響で動作が遅くなった夫と歩くときは、歩幅をそっと合わせようとしている自分がいます。 

何でも二人で向き合うのが夫婦。人生を共に歩んでいる喜びは、何より仕合せに思います。夫が話すどんなことにも、興味深く耳を傾けられて、楽しく笑い合える毎日。お金では買えない仕合せを、心から味わっています。 

有限の命(人生)を
  夫婦で支え 補い合う
      「歩み」を貴ぶ二人であれ
 運命の力の尊さが
       悟れるほどに 人間は
   家族を守るために「運命」を磨く
 夫婦仲良く
    互いの運命を重ねて歩む
          姿(人生)に
  家族の心は安定し
    家族それぞれの運命は磨かれ
        実体は高められてゆく

『真実の光・神示 令和2年版』86ページ