No. 1510

認知症の母との暗い毎日が
穏やかに変わったのは…

(静岡県YK/60代女性/無職) 

昨春、母が認知症の要介護1と診断されました。その時は、物忘れが多くなった程度だったのに、症状はあっという間に進行。「お金を取られた」と言ったり、大声で騒いだり。私が出掛けようとすると、「行かないで!」と追いすがるので、外出もままならない状態に。精神的に追い詰められ、私自身がうつ状態…。時に押し入れに逃げ込み、耳をふさぎ、母の顔を見るのも嫌になってしまいました。 

鬱々(うつうつ)とする中で思い浮かぶのは、幼い頃に見た、けんかの絶えない両親の姿。寂しかった、悲しかった、怖かった…。お母さんは、私たち姉妹の気持ちを考えたことがあるの!? 心の中は責める思いでいっぱい。加えて、「お姉ちゃんも妹も介護に協力してくれない。私一人がどうして…」と悶々(もんもん)としていたのです。 

見えなかった「心」が見えた!

それでも、偉光会館の職員と話し、友人と語る中で、もう少し頑張ってみようという気持ちが込み上げてきました。そうして神の教えを学び、自分の心と向き合ったら、思い起こされたのです。必死に働いていた両親の姿が。私にはとてもできない苦労をして、家族を守ってくれていた。そして今、一番つらいのは母なんだ…と。 

また、姉も妹も母との葛藤を抱えている。それを分かっていながら、「そうだとしても」と求め過ぎていた自分を反省。さらに、これまで姉妹や周りの人から言われたことを振り返ったのです。「あなたが勝手にやったこと」「決め付けないで」「おせっかいね」。私は、人から「よく気が付くね」と言われますが、求められてもいないのに、善かれと先走って勝手にやってしまうことがありました。しかも、心のどこかで見返りを求めていた…。本当に多くのことに気付けました。 

母を思う気持ちが膨らんで

心は不思議です。相手の思いが見えるほどイライラが消え、感謝が膨らんでいきました。しかも、私が落ち着いたら、母の心も穏やかになっていったのです。母は食欲まで旺盛になり、「こんなに食べたら長生きしちゃうね。でもおいしいから」。屈託のない笑顔に、思わず笑みがこぼれます。 

「父にはできなかったことを、母にしてあげたい」。優しい気持ちで母と向き合う毎日。二人で花を眺めたり、娘家族に会いに行ったり。一緒に過ごすひとときに、この上ない仕合せを感じます。いつの間にか母は、ほとんど介護を必要としない状態になりました。少し前には神総本部にも参拝でき、「夢みたい」と目をキラキラさせていた母。あの涙、涙の毎日が、こんなふうに変わるなんて、本当に夢のようです。 

自分と向き合い、心が変われば、人生が好転していく。私が味わった喜びを、縁のある大切な人たちにも感じてもらいたい。そんな気持ちが日に日に増しています! 

「真理」を学び
     我が「人生」を修めてゆく
 自然と出会いが深まり
      感謝心が「思い」をつなぐ
 信じ合い 支え合い 補い合って
    共に生きる喜びが広がってゆく
 「今」を感謝して生きる「心」が
   生きがいある姿(人生)を
           引き出してゆく

『真実の光・神示 平成23年版』116ページ