No. 1469

実母、義母、夫…
次々消えていくわだかまり

(福岡県CK/60代女性/自営業) 

義母と夫は、母一人子一人の切っても切れない間柄。結婚してからというもの、夫婦で物を決めたことがありません。内心、強く反発しながらも、2人の意見を尊重し続けた30年余り。60歳を前に、私はこう思いました。「これまで尽くし抜いた。これからは自分のしたいことをする!」。 

頭によぎっていた「離婚」の二文字。経済的に自立すべく、得意の料理を生かして居酒屋を始めました。その1カ月後、義母が病で死去。店は人気で、想像以上の忙しさだったものの、1年を過ぎた頃、コロナ禍でパタリと営業できなくなったのです。 

初めて客観視した自分の生き方

この間、足しげく通った偉光会館。勉強会で学んだ、親、先祖…という内容が、妙に心に引っ掛かりました。実は私は、「母との縁」が薄いのです。苦手だったのは義母だけでなく、実母もそう。常に姉と比べられ、抑え付けられ…。過去に事故で生死の境をさまよった時は、薄れゆく意識の中で、「これで二度とママに会わなくていいんだ」と思ったほどでした。 

母を反面教師にして、比較せずに育てた4人の我が子。それなのに、子供たちは言うのです。「圧が強いところなんて、おばあちゃんにそっくりだよね」と。あれだけ母を否定しながら、いつの間にか母そっくりだった私…。でも、自分なりに一生懸命やってきたのです。 

「もしかしたら、母も一生懸命だった?」初めてそう考えるようになりました。きっと義母も…。手塩にかけて大切に子供を育ててきたから、夫は純粋で、人が良いのだろうと思ったのです。そうしたら、何だか夫が「宝物」のように見えてきて…。今の仕事を20歳前からコツコツ続けている真面目なところも、本当にすごいと思いました。「私の自慢の夫」だと! 

感謝が込み上げてくる不思議

「離婚」の二文字は頭から消え、今年は結婚37年にして、初めて夫婦旅行に。居酒屋の仕事は完全予約制にして、昼間は娘とお弁当販売を始めました。一人暮らしのご高齢の方などに、思いの外喜んでいただき、おかげさまで繁盛しています。 

旬の味を楽しんでほしくて、春には苦みのある食材を使うなど、私の頭に次々浮かぶアイデア。実はどれも、大嫌いだった実母から習った「母の味」です。きっと私の世話好きなところ、信念があるところも、母譲り。最近、そんなふうに感じます。 

近々、母に会うので伝えます。「私、生まれてきて良かったよ。ありがとう」という思いを…。神が、私に下さっている心の救いの数々。母に、夫に、亡き義母に…。感謝の気持ちが、自然と込み上げてくる不思議を味わっています。

人は皆 神の手の中
  我が家の「心の道」を受け継いで
      有限の時(時代)を生きる
「教え」を通し
 「和のある家庭」の姿(真理)を学ぶ
 自然と家族との関わりが深まり
           調和が生まれる
調和の基に 人間は実体を高め
  「運命」に重なる人生を歩んでゆく

『真実の光・神示 令和3年版』82ページ(中略あり)