社会人として働き始めて半年がたった頃、母が乳がんのステージⅢと診断されました。太陽のように明るくて、たくましい母が? しかも転移? 涙が止まりませんでした。
心がもやもやする原因は…
しかし、私とまるで対照的な母。「神が付いているから大丈夫」。そんな母に不安だなんて伝えたら、「しっかりしなきゃ」となるだけかな。何も言えませんでした。
そこには、かつてのトラウマが…。体調を崩した母を心配した時、「大丈夫」とはね返されたこと。また思いを受け止めてもらえないかも…と勝手に決め付け、勝手にもやもやしていたのです。母を思っているけれど、それ以上に自分が傷つきたくない。話せない原因は、私自身にありました。
トラウマを超えて得たこと
そう気付いて、「話したい気持ちになれるように」「思いを素直に伝えられるように」と祈願。両親に不安やつらさを打ち明け、母に「弱い部分も出してほしい」とも言えました。涙ながらに「怖いので支えてほしい」と話す母。初めて見た姿でした。
我が家はがん家系で、母は20代の時に祖母を亡くしています。毎日泣いていた祖母を見るのがつらかったそうで、自分は子供に同じ思いをさせたくなかった。でも、神に心が守られているから明るくいられることも、話してくれました。母の気持ちを聞けて、張り詰めていた心が、ゆっくり解けていく感覚に…。「母が病気だから、自分がしっかりしなきゃ」ではなく、「素直な気持ちを言うのが、子供としての私の任」ということが、心の芯からつかめた気がしました。
母への思いが大きく変化
手術に向け、母から応援ノートを頼まれました。父と私がつづった思いを、はね返すことなく、全部受け止めてくれた母。家族の心が固く結ばれた感覚になりました。
母の手術は成功し、現在は自宅で療養中。日々、冗談を言い合うなど、みんなの心が明るいです。家族の笑顔が、母の回復にもつながっているのを感じます。驚くのは、離れて暮らす兄をはじめ、親戚や友人、地域の人など、たくさんの人が母を気に掛けてくれること。一緒に涙したり、喜んだり、人と心で触れ合ってきた母の存在の大きさを感じて、自分が目指す姿だと思います。
元気の源を大事にしたい
家族の心がぐっと近づいたら、変わったことがあります。社会人として壁にぶつかっても、職場からの帰り道、家の玄関の明かりを見るだけで、不思議と心に元気が湧くようになったのです。くよくよしても、両親に話せば安心できて、気持ちが前に向きます。トラウマを超えられて、本当に良かった! これからも、家族に素直に本音を語って、元気の源である家庭を大事にしたいです。
「真理」を学び
教えを我が家に生かすなら
自然と家族の思いが重なり合って
「心(魂)」安らぐ家と生(な)る
我が身(人生)の分 立場をよく悟り
家族に我が「思い」を語るべし
この思い(信念)が深まるほどに
家族の心(愛)が見えてきて
「生きがい」手にする
人(人生)と成る
『真実の光・神示 平成25年版』11ページ(中略あり)