No. 990

ポイントは「心の焦点」
仕合せへ前進する我が家
(愛媛県KI/60代女性/自営業)

「この家に嫁いで良かったんだろうか」と何度思ったか知れません。温室のような家庭で育った私は、夫の「あれせんか!」「はよせんか!」の命令口調に、地球の裏側に来たような衝撃を受けました。隣近所に聞こえるほどの大声で怒鳴られ、優しい言葉を掛けてもらうこともなく、心の中で泣き続けた約50年。夫は、“仕事さえしてくれればいい人”という感じでした。

我が家は6人家族ですが、息子家族も夫を嫌い、常に「1対5」。夫は、思ったことを配慮なく口に出すところがあり、少年野球をしている孫の友人まで傷つけたことがあります。それ以来、孫は、「じいちゃんが、またみんなに何か言うんじゃないか…」と心配で力を発揮できず、レギュラーから外されてしまいました。

学ぶと自分の姿も見えて…

息子たちには、仕合せになってほしいです。切羽詰まった感覚になり、神の教えを学び始めました。「夫婦仲良く、何でも会話」。夫が怒鳴るからできない…と途方に暮れながらも、学んでいきました。

夫が独り言をつぶやきました。「昔は、素直で明るくてかわいかったのに」。わざと私に聞こえるように言ったと思います。その時の心の動きが、いつもと違いました。「じいちゃんから見たら、私って鬼のようなばあちゃん?」。自分に原因があるかもしれないと、初めて感じたのです。

そもそも、夫が怒鳴るのは、私の勘違いが原因のときも多かったです。それなのに、ごめんも言わない私は、怒鳴られても仕方ない妻でした。それに、なぜ大きな声を出すのか夫に聞くと、「そんなに大きい声やったか?」と言われました。夫としては怒っていない時もあったのに、私が勝手にそう思い込み、一人で悩んでいたのでした。

少しずつ変わっていく夫婦関係

夫は、表現が不器用ですが、優しい人です。その証拠に、孫のために、家の庭を野球グラウンド化したりと、家族のためにいろいろやってくれています。でも、私は、良いところには心の焦点を合わせず、悪い方にだけ焦点を当ててきたのです。

ある日、夫がバイクで転倒し、けがをしてしまいました。一人でお風呂に入れないので、私の出番と思い、一生懸命手伝いました。夫は「おまえ、おまえ」と呼んできます。「名前で呼んでくれてもいいんよ」と言うと、夫は「呼び捨ては嫌」と言いつつ、「おまえ」とは言わなくなりました。

いろいろなことが良い方へ

今年の結婚記念日。夫が初めて手紙をくれました。不器用な夫らしい、ノートをちぎったメモ。そこには「愛する○○へ」と私の名前が! 「今まで長いこと怒ってごめん。これから一日一日大事に過ごしていこう」。飛び上がるくらい驚き、あまりにうれしくて、すぐ返事を書きました。

夫との関係が良くなると、我が家の「1対5」の構図も消えて、みんな夫と普通に話しています。孫はレギュラーに復活。「補欠になったことで、もっと人の痛みが分かるようになった」と言っていました。家族仲良く、後悔のない人生に向けて、前進し始めた我が家です。

――仕合せの基は 和のある家庭――
 神の教えに生きる家は 愛心 愛語が芽吹く
 ゆえに 「心の道」に花咲き 実を付け その家は栄えてゆく

――仕合せの基は 和のある家庭――
 神の教えに生きる家は
      愛心 愛語が芽吹く
 ゆえに
  「心の道」に花咲き 実を付け
         その家は栄えてゆく

『真実の光・神示 平成20年版』12ページ(中略あり)