No. 116

台風被害を受けて深まった気付き

(長野県NN/50代女性/自営業)

台風19号により、我が家のりんご農園が被害を受けました。人の力では及びもつかない自然の力をまざまざと見せつけられた思いでした。木の下にはりんごが散乱し、葉は飛ばされ、目を疑いました。かろうじて枝に付いていたりんごを見て、「怖かっただろうな」「痛かっただろうな」といとおしくて、いとおしくてたまりませんでした。

家族や近所の人が片付けを手伝ってくれ、励ましの言葉や差し入れも頂き、本当にありがたかったです。「人は一人では生きていけない」という意味がよく分かりました。夫とも、「今できることを精いっぱいやろう」と心を重ねました。

その後、お客さまから「落ちたりんごを買いたい」と思わぬ注文が入りました。「味が心配だし、食べられるか分からないです」とお話ししたのですが、「それならジャムにしたい」とのこと。こんなにも楽しみにしてくださっていると思うと、感謝でいっぱいでした。

そして、これまで夫がどれほどの愛情をかけて育ててきたかを感じ、それを分かろうとしていなかった自分を反省しました。それ以来、夫の気持ちに寄り添えるように意識しています。「きょうはどんな予定?」などと声を掛け、「ありがとうね」「うれしい」と自分の思いを言葉に表すようにもなりました。

人との触れ合いを怖く感じるほど苦手だった私が、神の教えで心を変えられたことがありがたいです。うれしい出来事も、悲しい出来事も、全て生きている証し。被害で失ったものもありますが、多くの方の真心を感じ、得たことの方が大きかったです。感謝を忘れず、お役に立つ生き方をしたいと心に誓っています。