No. 64

私たちが今、義父母にできること

(兵庫県HK/50代女性/パート)

三カ月前に義父が体調を崩して入院。軽い認知症の義母も施設に入り、私が病院と施設を行き来する日々が始まりました。

仕事の合間を縫って動き回るうちに、手作りを心掛けていた料理が、出来合いの茶色い総菜に代わり、家族にすまなくて落ち込みました。その上、義父から入院生活の不自由を大声でぶつけられ、不満がたまっていきました。私は、何でもしっかりやらないと気が済まず、したことを相手が認めてくれないといら立つ性格です。それなのに家事も不十分、義父母のお世話もうまくいかない。その不満が義父を責める思いに変わり、つらい毎日でした。

私の苦しみを見かねて、夫が神の館に連れて行ってくれました。その日の授業で、「実の親と義父母を分ける考えは違う。結婚したなら、両方が我が親」と学び、自分には全くその考えがなかったことに気付いたのです。

それからは、義父母を我が親と思える自分になりたいと、真剣に神に訴えました。すると、少しずつ自分の心に変化が出てきました。「食事は取れたかな」「皮膚がかさかさでかわいそう。どんなクリームがいいかな」などと、義父母に喜んでもらいたいことが思い浮かび、心が軽くなったのです。

一方、義父は次第にやせ細り、大きな声も出せなくなっていきました。言葉を発しても何を言っているのか分からない状態です。それなのに、バスタオルやクリームを持って行くと、笑顔で応えてくれるのです。「安心してね。家族みんな元気だからね」と伝える私に向ける笑顔は、「ありがとう」と言っているようです。

我が家の食卓は、相変わらず頻繁に茶色の総菜が並びますが、次男は「茶色は食欲が湧く色。おいしいよ」と言ってくれます。

義父母に、今私たち家族ができることは、一回でも多く笑顔を見せてあげること。そして笑顔を見せてもらうことだねと、家族で話す毎日です。