No. 504

夫が見せてくれた生き方
愛の心をつなぐ
(秋田県TS/70代女性/主婦)

「夫を亡くし、80歳目前の独り暮らし」と聞けば、誰もが寂しい毎日を想像するに違いありません。でも、私は多くの人に囲まれ、仕合せな日々を過ごしています。

恐怖心が一変して感謝に

ことしは例年にない豪雪で、家が埋もれそうな恐怖さえ感じるほどでした。そんな時、家の前の工場の人たちが、「ご主人には本当にお世話になったので…」と、家の周りから屋根の上まで、大雪の中、せっせと除雪してくださったのです。

教会の十教訓に「近所同士は和合せよ」とあるように、私たち夫婦は、皆さんとの縁を大切にしてきました。夫は、よく近隣の掃き掃除もしていて、その姿を見ていてくださったそうです。工場の方々の優しさと、その人たちを呼んでくれた夫。両方に感謝があふれ、恐怖心が吹き飛びました。

一時間ほどの所に住む娘も、心配して、連日私の元へ来てくれました。「お父さん、よくカレーを作ってくれたよね」「あんな所に連れていってくれたね」思い出話に花が咲き、「お父さんの好物をお供えしよう」と、二人で料理するのも楽しい時間でした。他県に住む孫が、何かと電話をくれたのもうれしかったです。親思いの娘、心優しい孫も、夫が残してくれた宝物です。

家族の絆を大切にしようと

神の教えは、夫と二人で、頑張って学びました。おかげで、自分の短所にたくさん気付きました。「家族の話を遮らない」「娘に思いを押し付けない」など、生き方の目標がたくさんできたのです。

中でも、夫との会話を大切にしました。ご飯を作るとき、仕事から帰ったとき…。何でもないひとこまでも、話をたくさん聞きました。夫は、何を食べても、「うまかった、ごちそうさま」と感謝を口にしてくれる優しい人。家の中には、いつも温かい空気が漂っていました。

心の中にずっと生き続けて

夫を亡くして3年がたつのに、命日になると、いまだに大勢の方が挨拶に来てくださいます。多くの人から慕われた夫の生き方は、私の一番身近なお手本です。

年齢を重ね、体力は落ちても、まだまだ愛はかけられます。ある時、近所に若夫婦が越してきたので、早く地域になじんでもらえればと思い、声を掛けると、とても喜んでくれました。今では、自宅の庭に招き合うほどの仲です。私が出会いを深めている姿に、きっと夫も喜んでいると思います。

「夫だったら、きっとこんなふうに…」私の心の中には、今でも夫がいます。これからも、「二人分」の気持ちで、縁のある人に、子供や孫に愛の心を注いでいきます。

神示で確認 「喜び」の仕組み

神の教えは 悔いなき人生手にする知恵ゆえ
    教え学ぶほどに 人の心は多くの出会いを引き寄せてゆく
 人 物との縁を深め 生かし合い 「感謝の心」に結ばれてゆく

『真実の光・神示 平成18年版』91ページ

神示で確認 「喜び」の仕組み

神の教えは
  悔いなき人生手にする知恵ゆえ
    教え学ぶほどに 
      人の心は多くの出会いを
        引き寄せてゆく
 人 物との縁を深め 生かし合い
    「感謝の心」に結ばれてゆく

『真実の光・神示 平成18年版』91ページ