No. 18

息子の思いやりが心に染みて

(千葉県TM/80代女性/主婦)

6年前、夫を見送ったのを機に、息子と二人での生活が始まりました。息子は口数が少なく、人付き合いが苦手です。以前、大声で怒鳴られたこともあり、気を使う毎日に、勉強会で家族との会話が大切と学んでも、「うちは無理」と思っていたのです。しかし、「このままではいけない。今こそ私が教えを実践して、手本を示さなければ」と思いました。以来、息子の何げない言動にも、「お疲れさま」「ありがとう」「うれしい」と、自分の思いを伝えるように心掛けました。すると、徐々に息子の態度にも変化が出てきたのです。 

私は、近所のシニアサロンに顔を出した際、頂いたお茶菓子を持ち帰り、息子と一緒に食べながら、その日の出来事を話すようにしています。そんなある日、持ち帰ったお菓子がなくなっていて、「息子が食べたんだな」と思いながらも知らん顔をしていました。すると数日後、息子が、「お母さんが好きなお菓子、一人で食べてしまったから…。コンビニで見つかったから買ってきたよ。一緒に食べよう」と、同じお菓子を渡してくれたのです。その心がうれしく、私にとっては最高のお菓子となりました。 

息子と心が通い合い、楽しく暮らせるようになった喜びを姉に伝えたところ、姉も家庭で教えを実践。家族に変化が出てきたようで、二人で喜び合っています。