No. 430

誠実が一番!
教えの実践に湧く底力
(神奈川県SA/70代男性/特養ホーム非常勤職員)

「借家で二間でもいいじゃないですか」心に響いた勉強会での言葉は、まさに今の我が家のことです。庭に菜園を造り、夫婦でめでる日々。隣でニコニコしている妻の姿を見るのが、私の喜びです。狭いながらも楽しい我が家。「こんなに穏やかな晩年が迎えられるとは思わなかった」と、二人でしみじみ語り合っています。

広い世界で働くことが楽しい

私は18歳の時に父を亡くし、織物工場の後を継ぎました。しかし、地場産業の急激な不況で、次第に経営困難に陥り、家、工場を売却。多額の借金を抱え、妻や子と地元から都会に出てきたのは、35歳の時でした。母が、「元気でな」と背中をさすってくれた感触は、今でも忘れられません。

それからは、家族の生活と借金返済のために、会社員として無我夢中で働きました。自宅の工場という小さな殻の中から飛び出して見えてきた世界は、何もかもが新鮮で躍動的でした。自分が役に立てる仕事がある感謝と働ける喜びで、「どんなことでも、させていただきたい」そう思ってひたすら会社の発展を願って頑張りました。

妻の存在と人を裏切らない信念

とはいえ、借金を返し続ける長い時間の中では、何度も心が折れそうになりました。そんな時は、愚痴一つこぼさずに付いてきてくれた愛妻の存在に、どれほど心が救われたことか。また、その時々に出会った方たちに支えられ、励まされては、「決して裏切ることはできない」という信念で復活。私には、一つ一つ全てのことが恩と感じられるのです。約束は絶対に守ること、要領を使わず、誠実な心で生きることが大切と、学んだ神の教えが私の軸になっていました。

いつも恩を返す気持ちでいるからか、多くの方々の信頼と支援を頂き、私の売り上げは断トツでした。借金も滞りなく返済し続けられ、ますます働く意欲が湧いてきたのです。教えを実践していると、不思議と底力が発揮でき、絶対に心が折れないことを体感しました。

子孫に受け継ぐ仕合せへの道

2年前に、借金を完済できました。知人に「あんな状況の中で、どうして倒産の手続きをせず、借金を返し続けたんだ?」と尋ねられたこともありますが、借りたものを返すのは、当然のこと。周りの人たちに、損害を出させたくない一心でした。やり遂げられて、今はただ、神に、支えてくれた妻や周りの方に感謝あるのみです。

教えを実践して誠実に生き抜く姿。お金では買えない大切なこの生き方を、4人の孫と2人のひ孫に残せるように、日々精進する心で暮らしていきます。