No. 403

退職を機に自分を見詰め
感謝の心で新たな職場へ
(山形県YS/30代男性/会社員)

人との触れ合いが重荷に

工業高校を卒業して、地元の企業に就職しました。得意な機械関係だけでなく、さまざまな部署への異動があり、口数が少ない私は、人間関係がうまくいかないことも多くありました。

夜勤が続くと、家族との会話もほとんどない状態になり、いつしか人と触れ合うことが重荷に…。結局、体調を崩し、15年働いた会社を辞めることになったのです。

自分の心を見詰め直して

退職までの間、教会の勉強会で学び、自分を見詰めました。どこへ行っても「言葉足らず」と言われて誤解を受けたのは、相手に対して思いやりを欠いていたからと反省しました。

家族に「仕事はどう?」と聞かれても、「家族だから分かるだろう」と思い、返事もしていませんでした。ついに母から「何でもいいから思っていることを話して」と言われ、ようやく心配を掛けていることに気付く始末でした。

それからは、人に対して温かい関心を持ち、自分から愛のある言葉を使うように心掛けました。

家庭内でできることから

すると、人と関わることを避けていた自分の心が前向きに変わっていったのです。まず家庭の中で実践しようと、夕食の下ごしらえを手伝ったり、認知症が進み始めた祖母とジグソーパズルをしたりしました。家族との会話が増え、母と台所に立った時には、「おばあちゃんの食べる物を細かく刻むなんて、相手を思う優しさがあなたの良いところだよ」と、褒められました。温かいやりとりで心が穏やかになり、体調も良くなっていきました。

仕事に就いて頑張る気持ちが

そんな時、高校時代の友人から、「自分の勤めている会社で働いてみないか」と声を掛けられました。以前なら、「新しい人間関係が心配」とためらっていたと思います。それが、「友人の気持ちに応えて、その会社で仕事がしたい」と素直に思えたのです。

家族と常に語り合っていれば、自分の弱点を補えることが分かりました。それが、人との関わりを恐れない強さになっています。

今は、職に就けることに感謝しかありません。神の教えから「仕事の基本は奉仕心」と学んだことを生かし、周りの人に喜んでもらえるよう、精いっぱい頑張ろうと思っています。