ことし、大好きな父が他界しました。頼まれると断れない性格で、多くの人に慕われ、娘の私にもいつも優しい父でした。
葬儀は仏式で済ませましたが、家族で話し合い、父の魂の安泰を願う儀式、明魂祭を申し込むことになったのです。
強く、明るく生きる心に
父に恩返しできると思って参列した儀式でしたが、心に残ったのは、子供のいない私たち夫婦の仕合せを願い続けてくれた、父の深い思いでした。
私たちは日頃から、自分たち亡き後、周囲に迷惑を掛けないようにと考えて暮らしてきました。しかし、儀式を通して、そんな思いにとらわれて生きるより、父の愛に応えたいと思ったのです。「夫婦それぞれに悔いのない人生を歩もう」「自分たちの良さを生かして、周りの人と縁を深めていこう」と、強く、明るく生きる心が引き出されていきました。
身内との縁がどんどん深く
夫はもちろん、母や兄家族たちと縁を深めるためにできることは何か…と、身近な人たちを思う気持ちが湧き上がりました。
一人暮らしとなった母を支えるために、兄はもちろん、兄嫁ともよく声を掛け合うように。やがて、「自分には、どんなときも支え合える大切な身内がいる」という喜びと安心感が大きく膨らんでいったのです。
私をいつも支えてくれる夫の優しさも、より深く感じられ、お互いに心の内を語り合う会話がどんどん増えていきました。
仕合せな姿を父に届けたい
親孝行しようと思って参列した儀式で、父からたくさんの気付きと、前向きに生きる強さをもらいました。亡くなっても、心がつながっている安心感で満たされ、父の娘でいられたことに、あらためて感謝の思いでいっぱいです。
父の魂が穏やかでいられるように、家族、身内、みんなで仲良く、仕合せに生きる姿を届け続けてまいります。