No. 349

「任せる」の裏にあった心
気付いて深まる親子の絆
(埼玉県YT/30代女性/会社員)

高3の息子の進路について、夫に相談したところ、「任せる」と言われました。そこで、息子が志望している専門学校に、いくつか見学に行かせると、大本命の所があり、本人の気持ちも決まったようでした。

後は願書を出すだけとなって、夫にもう一度話をしました。すると、「お前が、子供が好きなことは応援してあげたいと言うから『任せる』と言ったけど、その進路はいいと思わない」と言うのです。私と息子は固まってしまいました。

自分のするべきことをしようと

まず、落ち着けるように神に願いました。厳しいところもある夫ですが、不思議と怖がらずにいられたのは、最近たくさん神の教えに触れていたからです。

公式サイトの「喜びの声 若者版」を読み返すと、置かれた状況とは全く違う事例でも、ある共通点が見えてきました。それは、「悩んだときは、まず自分の立場を振り返る」という点です。

そのことを踏まえて、私が取るべき行動を考えました。「妻の立場」でするべきことは何か。「夫と子供の心をつなぐ橋渡し役」を、私はしていなかった。夫が「任せる」と言った時、言葉の奥にある「思い」を聞かなかったことに気付きました。心のどこかで、夫が反対するのを恐れていたのかもしれません。

穏やかな会話で自然と進路が

そんな自分を反省して、家族の心を重ねるために、話し合う時間を設けることに。息子は夫を少し怖がっていたので、素直・正直に話すように先に伝えておきました。

夫の話を聞くと、「うちは自営業だから、継ぐことも踏まえて学校を選んでほしかった」という思いがあったのです。それを聞いた息子は、「ゆくゆくは家業を継ごうと考えているよ。でも、今はやりたいことがあるんだ」と、自分の思いを伝えていました。夫も、息子の考えを一つ一つ受け止めていて、驚くほど穏やかに話し合えたのです。

話が進むうちに、自然と一つの学校が候補に挙がってきました。早速、息子と見学に行ってみると、「めっちゃいい」と目を輝かせています。私も夫も、息子が生き生き通えるなら…と納得して、家族の気持ちを一つに進路を決定できました。

前にも増して家族が重なって

息子は、前にも増して、夫に何かと相談するようになりました。夫は、「お前に頼まれると、何でもやってあげたくなっちゃうんだよ」とうれしそうに言いながら、親身にアドバイスしています。先日は、「いろいろ挑戦していいから、社会人としての準備はしておくように」と、息子の夢を応援する言葉を掛けていました。

昔の私なら、夫の機嫌をうかがって、「何か言われないように…」ということばかり考えていたかもしれません。でも、今回は、妻として家族の心をつなげようと、自然と教えを実践できました。

楽な方に逃げずに、家族と向き合えた自分に喜びを感じています。まさかこういう流れになるとは思わず、心の中で叫びたくなるほど、感謝でいっぱいです。