No. 332

地道な積み重ねでつかんだ
人間関係を円滑にするコツ
(福島県MT/60代女性/主婦)

相手と互いに理解し合うには

娘から、人間関係で悩んでいると電話がありました。「人それぞれに考え方があるのは分かるけど、何であんなふうに考えるかな。常識ってあるよね」と、相手をどうしても許せず、受け入れられない様子です。

心が落ち着くまで耳を傾けていると、娘が、その人に自分の思いを何も伝えず、ただ反発心を抱いているだけと気が付きました。そこで、「今必要なのは相手に自分の考えを語り、相手の話も感情的にならずによく聞くことだよね」と確認し合ったのです。相手のプライドを傷つけないように、思いやりの心を忘れないことと、ポイントも確かめました。

娘は素直に聞いていました。そして、「お母さん、何だか余裕があって、心が広く感じる」と言うのです。「今の話は教会の十教訓が基になっているんだよ」と答えました。娘はこのところ、仕事を言い訳に勉強会に足が遠のいていましたが、学ぶ意欲が湧いたようでした。

人との関わりが楽しみに

そういう自分も、過去に人間関係で悩んだ時がありました。人見知りで、口べたな上、短気な性格だった私は、一方的に話してくる近所の人が苦手でした。触れ合う前から身構えてしまい、いざ話すと、途中でイラッとする自分が嫌でした。

そんなある時、相手の嫌なところしか浮かばない自分に気が付いて、ドキッとしました。いろいろな個性があるのが人間であり、短所と思う部分こそ、神の教えで捉えれば、長所にもなり得るその人の持ち味。個性に触れて「嫌な人」とシャットアウトするのではなく、教えを意識しながら、その人とたくさん触れ合うようにしました。すると、家族や料理のことなど、たわいもない話から、相手の優しさや、真面目で一生懸命なところが見えてきて、良い関係を築いていけました。

苦手だからと避けていては、ここまでの喜びは味わえなかったと思います。教えから人との正しい関わり方を学び、地道に実践してきて、本当によかったです。コツコツと積み上げてきたものが自信となり、心の支えになっています。

皆さんとの縁を生かし、程よい距離感が取れるようになった今は、人と関わるのが楽しくて仕方ありません。心を許せる間柄の人もたくさんできました。これからも、一日一日の心の積み重ねが人生をつくっていくと肝に銘じて、出会う方々に思いやりの心で触れていきます。