No. 321

希望を失った心に差した光
「神に心を守られる」感覚
(静岡県SO/50代女性/葬祭場勤務)

乳がんの手術から10年。「ことしで検診は卒業」と思っていた矢先に、肝臓と肺にがんが見つかりました。さらに、心臓の下部膜に水がたまり、医師に「治療の方向性が見えない」と言われたのです。

目の当たりにした家族の優しさ

絶望的でした。「健康には人一倍気を付けていたのに、なぜ…」「いっそこのまま死んだ方がいい」動揺する私を心配して、夫が一緒に神の館に行ってくれました。その時、夫婦で教えを学ぶことを、職員に勧められたのです。

その日から夫が変わりました。どんなに仕事が遅くなっても、毎晩神の書物を開き、眠気と闘いながら、必死に目を開いて読んでいます。そして、「ここにいいこと書いてあったよ」などと教えてくれるのです。

ある時は、「おまえはちゃんと健康に気を配っていたよ」と言ってくれました。そのたったひと言で、重かった心が一気に軽くなるのを感じました。息子も、検査の前後にメールをくれ、予定していた引っ越しを見合わせるなど、何かと気遣ってくれてありがたかったです。

湧き上がる「生きたい」思い

同時に、大反省でした。私は、教えを学んでいても、ちっとも実践していなかったことに気付いたからです。家族への感謝もなく、ああしてほしい、こうしてほしいと、自分の思いを押し付けてばかりでした。

夫も、息子も、本当はこんなに優しい人だったなんて…。私がそこに気付けなかっただけでした。言い表せないほどの感謝が込み上げ、「死んでもいい」と思っていた心が、「大切な家族のためにも絶対に治したい。生きたい」と変わっていました。

自分の心とは思えないほど…

検査を進める中で、うれしいことがありました。無理だと思っていた抗がん剤治療ができることになったのです。

治療が始まると髪は抜けてしまうので、先日、夫にバリカンで剃ってもらいました。髪も、心もサッパリ! 一足先にウイッグ生活を楽しんでいます。

自分の心とは思えないほど、気持ちがすがすがしく、「神に心を守られるってこういう感覚なのかな」と思います。これも、神の教えと家族のおかげです。何としてでも病気に打ち勝ちたい! これからも明るく、前向きに治療に臨んでいきます。