昔から、夫と長男の折り合いが悪く、二人の間を取り持ってもうまくいきません。やがて、息子をかばう私と夫との間にも距離が生じ、修復できないまま、時が流れていたのです。
夫に素直な思いを伝えたら…
親から子へと受け継がれる心の道とは、恐ろしいもの。時を経て、息子のお嫁さんが助けを求めてきました。「主人と子供たちとの間に溝ができて困っている」。私たちと同じ苦しみに直面していることを聞いて、何とかしてやりたいと教務相談へ。「まずは夫婦でよく話し合うことですよ」と言われて、ハッ!としました。夫はいつも仕事で忙しく、家族の話をしても思うような反応が返ってきません。「どうせ話しても、何も言ってくれない」と勝手に思い込み、一人で悩んで、夫に頼ろうとすらしていなかった自分に気付いたのです。
もう逃げてなどいられません。「今度こそ夫との間の壁を乗り越えなくては」と決意。同時に出てくる、「期待外れの反応だったら…」という不安。それも含め、「素直に思いを伝えられるように」と祈願すると、本当にそうできました。しかも、子供を思いやる優しい言葉が返ってきてビックリ。夫は、家族に関心がない人ではなく、家族思いの優しい人だったのです。結婚して45年、「夫はこういう人」だと、ようやく分かってきました。
本音で語り合うことができて
素直な気持ちを言い出せなかったのは、そうさせなかった私がいたから。自分が望むような反応を求め、夫の話を聞くゆとりに欠けていたことに気付きました。
さらに、親子の関わりが薄かった頃の思いを尋ねると、「本当は寂しかったよ」。初めて聞けた夫の本音。私も本心を伝えました。「できることで息子たちを支えていきたいと思って…」「いいよ」。「二人で助けていこう」。夫婦の心が一つになれたのです。問題は何も解決していないのに、不思議と心は穏やか。「二人で力を合わせれば、何でも乗り越えられる」そんな確信が持てて、安心感に包まれました。
心が通い合う姿のお手本を
夫婦、親子の縁が薄い。そうした我が家に流れる悪いものを断ち切るためにも、まずは、私たち夫婦が心通い合う家族になる、そのお手本を見せること。夫に温かく寄り添える妻を意識するようにもなりました。すると、病院に行っても一切思いを語らなかった夫が、あれこれ話すのです。「不安なの?」と聞いたら、「そうなんだよ」。優しく励ましつつ、私を頼りにしてくれているのかなと、うれしくなりました。秘密主義な夫が、知られたくない部分を教えてくれ、私もオープンな気持ちに。お互いに必要な間柄になりつつある手応えを感じます。
先日、知人から、「すごくいい顔をしているよ」と言われました。自分では感じていなかったので驚きましたが、夫も笑顔がたくさん出ます。それに、「たばこ減らしたら」「テレビの音、大き過ぎ」という夫への小言が一切なくなったこと。不満だらけの自分が変わったのは、きっと心が満たされているから。人の心ってこんなに変わるのだと、自分でも驚きです。
私たちの変化を知るお嫁さんも、ますます私たちを頼ってくれます。いいお手本をたくさん見せて、我が家の心の道に良いものを残す。夫と二人でやり遂げたいです。
「教え」を学び
「人生の真理」を深く知る
自然と「人生(こころ)の姿」が
見えてきて
感謝の心で
万人・万物を受け止められる
互いの運命は重なり始め
互いの実体も磨かれてゆく
生きる日々に
協力 共感できる出会いが生まれ
「人生」が好転して行く