No. 1407

「感謝の心」が膨らむほど
何をしても楽しい毎日に
(茨城県HK/80代女性/理容師)

コーヒーカップを洗えば、すかさずチェック。何か質問すると、嫌な顔。雇用主は私の方なのに…。40年、一緒に仕事をしてきた従業員のAさんとは、どうしても心が重なりません。 

自分が面倒見るしかない?

22歳で理容室を開業し、もうすぐ60年。夫も理容師で、一時は、従業員を8人も抱える人気店に。住み込みで働く人も多く、私が作る食事を共に食べ、2人の息子の面倒を従業員が見てくれることも。まさに家族同然の存在。これまで、30人ほどの従業員と、縁を頂いてまいりました。 

そうした中、6年前に夫が他界したのを機に、理容室の規模を少しずつ縮小することに。息子たちと相談して、一人でお店をやっていくことにしました。決めたものの、最後に残った一人が、このAさん。どう話を切り出したらいいか分かりません。教務相談に入り、人に人は救えないのに、「自分がこの人を何とかしてあげたい」という思いが強かったこと、先々まで心配し過ぎる自分の性格にも気付けました。

勇気を出して伝え、Aさんの再就職先が決まるまでの期間は、まさに針のむしろで、つらかったです。でも、思いもしませんでした。Aさんが辞めてからの方が、もっと苦しい毎日になるなんて…。 

欠けていた心に気付いたら…

自分自身も、新たな環境への出発。とてもうれしいはずなのに、心が晴れず、ついに、うつ状態に陥ってしまったのです。どうしてなのか自分でも全く分からない中、12月の愛寿御礼祭を受けて思いました。「私は今まで、どれだけの人に感謝が持ててきただろうか…」と。今日までの理容師人生。特に、最後まで一緒にいてくれたAさん。「彼女がいたから、夫を亡くした時も頑張れたんだ」。不満の対象でしかなかったAさんに、感謝とともに思いやる心が初めて湧き上がりました。 

その後、開催することのできたOB会。Aさんに、「私、寂しくて寂しくて。今までありがとう」と、素直な気持ちを伝えられました。Aさんも、涙ながらに、新しい職場ですぐに心が詰まってしまったことを打ち明けてくれたのです。周りの人と共に励ましながら、お互いに積年の思いがきれいに流れていくのを感じました。 

他の方々にも、「みんなに職場を与えていたと思っていたけど、そうじゃなかった。57年間、私の方が支えてもらっていました。ありがとう!」と、頭を下げることができました。全員が感謝の涙、涙。それはあったかいひとときでした。そして、この日を境に、あんなに暗く沈んでいた心が、うそのように明るくなったのです。 

不思議なほど広がる仕合せ

今の私は、はさみを持つだけでも楽しくて、80歳でもますます元気。お客さん一人一人とのちょっとしたやりとりにも感謝の思いがこもります。 

Aさんからは頻繁に電話が来るようになり、不思議なほど、心の交流ができているのを感じます。 

「感謝」が足りていなかったと気付けた時から、次々と好転していった心。こんなにも充実した、楽しい毎日が送れるなんて! 先の先まで考えて悩むこともなくなりました。神に感謝、教会に感謝、たくさんの人に感謝、そして何より、一番近くで支えてくれる家族に感謝です。だからこそ、心豊かに暮らす姿を、子や孫へと必ずつなげてまいります。

人は 無限の支え 「愛」の中に
           生かされている
神に守られ
 家族 友人 知人の縁に
    支えられし 我が身の幸運
          気付けたときに
  人は誰もが 「心」満たされ
          感謝心に包まれる
感謝の思い深まるほどに
  人は誰もが 奉仕心に生きんとする
「仕事の真理」悟り深めて
          「真理」に生きよ
  生きて 皆の人生 満たされてゆく

『真実の光・神示 平成19年版』69ページ(中略あり)