「あんたはバカだから、手に職をつけなさい」と言い放つ母。中学の技術の授業中、みんなの前で私の作品を笑った先生。子供心に大ショックでした。物作りが好きだった私は、「いつか見返してやる」という反骨精神で、中学卒業後は板金の職業訓練校へ。17歳からは、機械を作る会社に就職し、職人の道を歩み始めました。
今もよく覚えています。職場は殺伐とした雰囲気で、友人もおらず、心は孤独。でも、逃げ出すわけにはいきませんでした。なぜなら、我が家は父が病気で働けず、兄も事故で治療中。給料のほとんどを家に入れ、家計を支えました。自分の不遇な人生を恨み、空を見上げて男泣きしたこともあったのです。
「仕事の真理」を知って
知り合いから神示教会のことを聞き、籍を置きました。でも、結婚後は足が遠のき、やがて離婚。ある時、娘に「お父さん、うちって神様にすがっていたよね?」と言われ、ハッとしました。「親としてまずい」。それまでのブランクを埋めるかのように、神の教えを学び始めたのです。
仕事の真理は、「奉仕の心」。胸に響きました。いいかげんに仕事をしてきたつもりはありませんが、私が心の中で考えていたのは給料のこと。その前に、「お客さんがこの出来をどう思うか?」を考えるようになったのです。「もう少し手を加えよう」と、そんな気持ちで取り組む中で、社長から「難しい仕事は、あなたに任せる」とどんどん頼られるようになり、初めて本当の仕事の楽しさを知ったのです。
最悪から最高に変わる職人人生
65歳を過ぎれば完全退職ですが、社長から「辞めないでほしい」と言っていただきました。17歳の時からお世話になっているこの会社で、今も現役の職人として、若い従業員と汗を流しています。
最悪のスタートだった職人人生は、神に出会ってから、最高に激変しました。うれしいくらい、声を掛けてくれる人が増え、心と心で触れ合っている感覚があります。だからなのか、孤独感が全くないのです。
子供の頃、母や先生に言われた言葉。「つらかった」ではなく、「自分を思って言ってくれた」「あれがあったから、今の人生がある」と、感謝の思いしか出てきません。過去の苦しさが帳消しになり、思いが残らないどころか、感謝に変わる。神にすがってきたからこそ味わえた体験。喜びを超えて「すごい!」のひと言に尽きます。
仕事は 報酬を得ることではない
「運命」を社会に奉仕することで 万人 万物の縁が深まり
「愛」「信頼」「期待」と 互いの思いが重なり 深まることで生まれる感慨
「運命」を世(社会)に奉仕することで 「生きる」意味を体感する
仕事は 報酬を得ることではない
「運命」を社会に奉仕することで
万人 万物の縁が深まり
「愛」「信頼」「期待」と
互いの思いが重なり
深まることで生まれる感慨
「運命」を世(社会)に奉仕することで
「生きる」意味を体感する
『真実の光・神示 令和3年版』143ページ(中略あり)