私は、物流の会社で調味料の仕分けをしています。二人一組で行う作業を、若い子とペアでしていた日のことです。
「瓶の品物だから、少し間隔を空けよう」と考えて並べたところを、「置き方が違う」と、ペアの子が先輩から注意されました。それを見て、「並べたのは私だから、この子を叱らないでください!」とつい感情的になり、口論になってしまったのです。
どんな心で取り組むかが大切
「何でこんなことに…。どう接したらよかったのだろう」と反省し、『理知の真理』を読みました。そこに、「仕事は、何をするかより、どのような気持ちでするかが大切」とあり、ハッとしました。
相手の気持ちを考えるゆとりもなく、「こうするのがよい」と、自分の意見を押し通していたことに気付いたのです。さらに、「早く終わらせなければ」という思いで、作業していた自分が見えてきました。
お互いの心を交流すると…
2日後、口論になった人と同じシフトで作業することになったのです。気まずさもありましたが、「誠実に謝れるように」と神に願いながら、仕事に臨みました。
すると、その人がとてもきちょうめんで、真面目に仕事をする姿が目に入ってきました。「見習うところがたくさんある…」そう思った時、「先日は感情的になってしまって、すみませんでした」と、言葉が自然と出ていたのです。
相手も謝ってくださり、不思議と、これまで以上に作業がスムーズに進むようになりました。自分の心一つで、全てが変わるのを味わいました。
心遣いが形としても評価され
「これが奉仕心の実践なんだ」と心から感じ、誰とペアになっても、お互いの良さを生かすことを意識しました。
そうして働いていると、社長から声を掛けられ、正社員として雇っていただくことになったのです。「年齢が高い私をなぜ?」と思いましたが、仕事への姿勢が評価されたと伺い、とてもうれしかったです。
家族との会話が一番の憩い
陰日なたなく、心を大切にして働いていると、必ず誰かが見てくれていることを実感。子供たちに話すと、「お母さん、よかったじゃん」と喜んでくれました。こんな会話ができるのも、家族がいるからこそ。夫のいない私にとっては、子供との会話が一番の憩いです。
これからも、奉仕の心で、家族をはじめ、周りの人と良さを生かし合えるように頑張ります。