息子から、「建築の仕事をしたいから、そのための学校に行きたい。そして、一人暮らしをしたい」と、突然言われました。
夫婦の会話から見えたことは?
私は、常々「お互いを思いやり、生き生き過ごせる家庭をつくりたい。家族の心を大事にしたい」と思っていました。でも、息子の言葉を聞いた瞬間、「どうして急に…。建築が向いているかも分からないし、一人暮らしなんて大丈夫かしら」と、不安と不満が芽生えてしまいました。
数日間もやもやしていましたが、「そうだ。神の教えで『思いを伝え合う会話が大事』と学んでいるのだから、一人で悩まずに夫と話そう」と思い直しました。
夫は、気持ちを聞いてくれて、「本人がそれほど言うなら、やらせてみよう」と、大きく受け止めていました。その姿に、「息子を尊重することも大事なんだ」と、私の心も落ち着いていったのです。
家族の心がつながる実感
夫婦で息子の話をよく聞くと、自分の持ち味を生かしたい気持ちがあり、生活のこともしっかり考えていることが分かりました。話をするほどに、息子を応援する気持ちに変わっていきました。
夫に気持ちを聞いてもらい、家族で話し合えたことで、お互いの心がつながっていくことを実感。「一人の大人同士として息子に接し、母親の立場でできることをしよう」そう思うと、掛ける言葉も変わりました。
ある時、「何か手伝ってほしいことある?」と声を掛けると、「買い物に付き合ってほしい」と言われました。最近、頼ってくることがなかったので、気持ちが伝わっているんだなと、うれしく思いました。
居心地の良い家庭にするために
入学式を終え、一人暮らしを始めた息子は、時々家に帰ってきてはくつろぎ、ご飯を食べていきます。「一人暮らしは今だけ。就職したら、家に戻るよ」と言っています。人の心を大切に、自分の良さで周りに喜びを届けられる人になってほしいと願っています。
居心地の良い家庭がつくれるように、夫といつも思いを分かち合い、支え合い、補い合って、家族の絆を深めていきます。