No. 246

入院中に出会う人と
楽しい心のキャッチボール
(福島県MS/50代女性/介護福祉士)

入院して2カ月になります。最初は、人工関節が脱臼した痛みのつらさで、家族にも迷惑を掛け、申し訳ない思いでいっぱいでした。

縁の不思議を味わって

そんな私に、91歳になる同室の女性が、「痛いのかい? 大丈夫?」と、声を掛け続けてくれました。その心遣いに、「心配を掛けている場合じゃない。今の自分にできることをしよう」と思い直したのです。

笑顔で挨拶を交わすうちに、だんだん縁が深まり、いろいろな話ができました。長年教師だったらしく、思い出に残る教え子の話になり、私のいとこの名前が出てきてびっくり。小学校の時の担任だったのです。

その場でいとこに電話すると、驚きながらもうれしそうでした。先生に電話を代わると、涙を流しながら話していました。46年ぶりに二人の縁がつながり、喜んでもらえてよかったと思いました。

数日後、先生は退院。連絡先を交換し、「また楽しくおしゃべりしましょうね」と言われ、とてもうれしかったです。

聞くことは心を大切にすること

次に入院してきたのは80歳の女性。話してみると、自慢話や近所の人の悪口ばかりで、だんだん苦痛になってしまいました。

夫に相談したら、「きっと話を聞いてほしいんだよ」と言われてハッとしました。「人との関わりで大切なのは、話を最後まで聞くこと」という神の教えを思い出したのです。私自身、家族の話を遮って自分の思いばかり伝えていたことも見え、反省しました。

相手がどうしてほしいのか、考えながら話を聞いていると、「寂しがり屋だけど、本当は優しい人なんだな」と分かってきました。そこで、自分から声を掛け、一緒にテレビを見たり、折り紙をしたりと、できる限り寄り添ったのです。その方が退院する時、「話を聞いてくれてありがとう。同じ部屋でよかった」と握手してくれました。

今後も人との関わりを広げて

夫に報告すると、「よかったじゃないか。これからも話を聞いてくださいな」と、笑いながら言われてしまいました。

今回の入院で、心のキャッチボールが大切なこと。それができると、人との関わりが楽しく、出会いが広がることを味わえました。入院生活はまだ続きますが、神の教えで人との縁を深めていきます。