No. 1531

病をきっかけに縮まった
嫁との“心”の距離

(愛媛県AA/70代女性/主婦) 

昨年秋、かかりつけの病院に行った時のこと。診察を受けながら、ふと気が付きました。「私、胸のレントゲン、しばらく撮ってないな」。そして見つかった小さな影。生まれて80年近く、病気と縁がなかった私は「どうしよう」。一気に不安が押し寄せました。なのに、息子夫婦や娘に話しただけで、随分心が楽になったのが不思議でした。 

神の教えで何度も出てくるのが「家族」との和。心に引っ掛かるのは嫁との関係。もめることはなくとも、農家に嫁いでくれたのだから…と遠慮があったのです。同じ敷地に住んでいながら縮まらない距離感…。それが病をきっかけに、ぐっと近くなるとは…。 

不安が流れていった訳は… 

総合病院には嫁も一緒に。その時、医師から言われました。「こんなに早く見つけてもらえて感謝だね。しっかり検査しましょう」。温かい言葉に不安が流れ、がんかもしれないのに、込み上げるのはうれしさ。「この先生にお任せしよう」と心から思えました。嫁も、「早く見つかって、いい先生にも出会えて良かった」と私と同じ気持ちで、検査のたびに付き添ってくれたのです。離れて暮らす娘からも折に触れて連絡が。みんなに支えられながら、何もかもが神の手の中で進んでいくようで、「神はいつも私のそばにいてくださる」と心底実感し、安心感に包まれていました。 

検査の結果は、肺がんのステージⅠ。そう聞いても、不安どころか、前に向かう気持ちに。手術が決まった日の帰り道、「迷惑掛けて済まないね。留守を頼みます。畑の野菜はお友達に分けて…」と伝える私に、嫁から想定外の返事が。「畑は私がやりますから、ゆっくり養生してください」。亡くなった夫に、思わず心の中で、「お父さん、お嫁さんにこんな言葉を掛けてもらえてうれしい」。涙が止まりませんでした。 

素直に家族に頼れる自分に 

肺の三分の一を切除する手術は成功し、その後も順調に回復。そして迎えた退院の日。息子が仕事を休み、食事の支度をして私を待っていてくれたのです。「よう元気で帰ってきたの」ぶっきらぼうな言い方にも、優しさを感じて胸がいっぱいに。涙がこぼれました。 

入院中、嫁と何度連絡を取り合ったことか知れません。畑仕事の話もして、「きょうは寒かったやろ」「お義母さんの苦労がよく分かった」「温かいお風呂に入って、ゆっくり休みなよ」。互いを思いやるやりとりが交わせるまでに大変化。心が通い合う中で、「頼れるところは、家族に頼ろう」と素直に思えるようになりました。 

家族と心がつながる仕合せ 

しばらく通院が続くので、嫁に「迷惑掛けるけれど、病院に連れていってくれる?」と頼むと、「いいよ」。そのたびに添える「ありがとう」の言葉が、たくさん増えました。距離感を生んでいたのは、私の関わり不足。自分から心を開いていったら、いいところが次々に見えて、嫁への情が膨らむばかりです。 

最近は、買い物に付き合ってくれたり、作った惣菜を交換し合ったり。心がつながっている感覚があり、嫁との距離感を全く感じなくなりました。どんなときも神を感じて生きていけば、必ず素晴らしい出会いを与えてくださること。家族と和のある関係が持てることが、どれほど仕合せか。私が体験したことをたくさんの人たちに知ってほしいです。そして、もっともっと家族との和を深めていきます。 

健康は
  家族に愛情をかけ
   仕合せを求め合う家庭で生まれる
 心が豊かになるほど 体調も整い
         心身ともに守られる
 今日(いま)なすべきことは一つ
  「教え」で関わる家庭を
      家族で築く思いを強く持つ
 自然と
  「教え」が
     家族の思いを一つに重ね
    何でも話せる家庭と成ってゆく

『真実の光・神示 令和5年版』94ページ