(京都府KY/70代女性/主婦)
結婚して1年もたたない頃のことでした。夫が買ってきてくれた物のことで、笑いながら話していたら、「そんなに笑うなら返してくる!」と突然、怒り出したのです。以来、数十年、夫は“気難しくて怖い人”。父からもらって大切にしていた扇風機をバラバラに壊された時は、涙が出ました。
子供はおらず、夫婦二人の生活。共働きだったので、職場にいる方がよっぽど楽しかったです。家だと胃が痛くなる毎日。夫の顔色を見ては、怖くて気持ち一つも聞くことができませんでした。そんな状況ですから、神の教えで「会話が大切」と学んでも、「どうやってすればいいの?」という感覚でした。
ある言葉から見えてきた反省点
もし夫と心が通う家庭を築けたら、どんなに仕合せか…。そんな思いを祈願していたある日、夫に言われた言葉を思い出しました。「おまえは、わしの話を一つも聞いとらへん!」。そう言われれば、そうだったかもしれないと感じました。
私がテレビを見ていると、夫は自分の知っていることを話し出します。それが嫌でしたが、録画すればテレビは後で見られるし、「夫の話をちゃんと聞いてみよう」と思いました。そうしたら夫は殊の外喜び、顔はニコニコだったのです。
心が通い始めてきた実感
そんな中、大きく救われた出来事がありました。夫の体調が悪そうなので、「病院に行こう」と言うと、いつになく、すんなりと受け入れてくれたのです。そこから脳梗塞が分かり、すぐ治療ができて、後遺症は残らずに済みました。
この時、「夫がいなければ生きていけない」と強く思いました。その気持ちを素直に伝えたら、うれしそうな表情になり、その後は照れ隠しなのかムニャムニャ…。でも、それから夫は、私が食事の後片付けをしていると、「ご苦労さん」と声を掛けてくれるなど、前よりも優しくなっていったのです。
あれほど怖かった夫が、私の心一つでコロッと変わっていく不思議。最近、気付いたことがあります。夫が料理を作って帰りを待ってくれていても、「またチャーハンか」といつしか感謝を忘れていた私。以前、夫が「車ごと田んぼに落ちた…」と帰ってきた時は、「車、迷惑にならへんの?」と言って、「わしより車が心配なんか!」と激怒されたこともありました。私の心が冷たかったのです。とても…。
仕合せ色に変わった夫との日々
何でも手早くできない私と違い、夫は器用で一生懸命。「すごいね」「ありがとう」たくさん言葉にしています。脳梗塞で体力が落ちた夫ですが、畑仕事に精を出しているので、「手伝おうか」と声を掛けたら、「ええわ」との返事。自分の仕事と思って頑張ってくれているんだなと、いとおしく思う私がいます。
ある日、夫が思いがけない言葉を言ってくれました。「わしはおまえが好きだ」。想定外のひと言に驚きつつ、心の底からうれしかったです。ガラリと変わった夫婦二人の生活。今、本当に仕合せです。
愛ある心の姿をご存じか
求める前に
縁ある人に
「思い」を届ける心を申す
人(相手)に何を求め 何を願い
その心に我が何をなすべきか
見えたとき
「愛心」が芽吹くのである
愛ある心が仕合せな人生を導くゆえに
「教え」を学び
生き方に生かす心を
欠いてはいけない
『真実の光・神示 平成24年版』66ページ