Q 親に冷たい、兄夫婦との関係に悩む

60代

実家で親の面倒を、兄夫婦が見てくれています。しかし、母から「冷たくされている」と聞き、切なく、苦しくなりました。兄夫婦に「もっと優しくしてあげて」と伝えたところ、関係がギクシャクしてしまい、どうすればよいか悩んでいます。(60代女性)

感じ方や考え方は、一人一人異なります。そのため、どちらか一方の話を聞いて、思い込みで関わっていくと、かえってこじれてしまいかねません。先入観を持たずに、自身の立場を踏まえた関わりを心掛けることが重要です。

血を分けた家族であっても、「夫と築く家庭」に身を置く今、「兄夫婦が母と暮らす家」とは別所帯の立場です。母に思いがあるように、兄夫婦にも、考え方や事情があります。日々、お世話をしている者にしか分からない苦労もあるでしょう。「ああしてほしい」「こうしてほしい」と、兄夫婦に求める前に、感謝を忘れないことです。「いつもありがとう」「任せてばかりでごめんね」などと、大変さを感じ取り、理解しようとする、思いやりの心で接しましょう。そこに、互いの信頼関係が深まります。家族の存在に支えられ、兄夫婦の心にゆとりも生まれます。

その上で、母親と兄夫婦が仲良く暮らせるように関わっていきましょう。「お母さんが誤解しているかもしれない」「こんなこと言っていたから、気持ちを聞いてみたら?」「お兄さんたちはお母さんのことを思って、そうしたんだよ」などと、気持ちの橋渡しをしたり、話し合いを勧めたりと、みんなが調和できるように、温かく声を掛けるのです。

家庭の中での立場と任
 それぞれの「あるべき姿」を知って
   正しい関わりを深めることが必要
「教え」で
 家族それぞれが触れ合うほどに
  自然と家族の会話は重なり 増えて
   「真実の愛」が家族の心に芽吹く

(令和2年1月14日)

何よりも、自分の足元の家庭を確立することが必要です。それには、その時々の自分の思いや、家族の状況を夫にも伝え、共有していきましょう。夫に受け止めてもらうことで、冷静になれたり、別の角度から物事を見詰められたりします。夫婦そろって、母や兄家族に関わることで、家族の結束が一層深まります。

きょうだいや子供夫婦が、仲良く仕合せに暮らす姿を見せることが、何にも勝る親孝行です。母親の心も、自然と安定し、兄夫婦との関係も良好になっていくでしょう。