施設に入所した母の認知症がどんどん進み、家に帰りたがる姿を見ると、これでよかったのかと迷ってしまいます。父は他界し、兄弟は遠方在住、私は仕事があるため入所を決断しましたが、母を見放したようで罪悪感が拭えません。(50代男性)
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施設への入所と、見放すことは、イコールではありません。母親が施設で暮らしていても、温かく声を掛け、関わりを深めることは、いくらでもできます。何より、人は、家族の愛を感じるほど、心が安定し、生きる力が引き出されるものです。ですから、自分にできる範囲で精いっぱい愛をかけ、母の心が明るくなる話をしたり、「お母さんが元気でうれしい」と、大切に思っている気持ちを伝えたりしていきましょう。時の流れとともに、心も、体も、環境も変化していきます。その時々で現状を受け止め、最善を尽くしていくことが大切です。
また、一人で抱え込まないことです。たとえ離れていても、兄弟とまめに連絡を取り合い、「認知症が進んできたみたい」「こんなところが心配なんだけど、どう思う?」などと、母と自身の状況や思いをはじめ、何でも伝えるようにしましょう。「自分たちを気に掛けてくれる存在がいる」と実感できるだけでも、心が軽くなるものです。
――家族の心(運命)が重なるほど
家族一人一人の人生(実体)は
大きく守られ
仕合せの輪が広がってゆく――
互いを思い
心(愛情)をかけ合う家庭に
人(人間)の心(運命)は磨かれ
奉仕に生きる人(人間)を育てる
「教え」のある家庭に
人(人間)の心(運命実体)は
光り輝き
六つの花びら咲き誇る家庭と
なってゆく
(平成30年7月1日〈中略あり〉)
幾つになっても、親が願うのは、我が子の仕合せです。多くの人々と縁を深め、役立てるように、誠実に生きていきましょう。職場や身を置く環境で、大いに生きがいを味わう自分の姿を母親に見てもらうことが、何よりの親孝行であり、お互いの人生を、悔いのないものとする道筋です。
※六つの花びら;神が人としての仕合せを六つの花びらに例えてお教えくださった、基本真理の一つ。夫・妻、男女の子供、健康、職業、生活、希望の六つに恵まれることが、人としての仕合せなのです。六つの花びらは、順にかなっていきます。夫婦が仲良く暮らすと、親子の仲も良くなります。そのような家庭を築けると、健康に恵まれ、人の役に立とうという意欲も枯れません。社会で活躍できるので、生活に困ることもなく、大きな希望を持って人生を歩めます。詳しくは『生命の歩み』84ページで確認しましょう。
