Q 長年ひきこもりの子供。将来が不安 

70代

息子が小学生の時に離婚し、一人で育ててきました。その子は、高校卒業後に引きこもったまま40歳になります。私は年金暮らしなので、今後のことが不安です。(70代女性)

我が子が仕合せな人生を歩むために、今から、親としてできることがあります。それには、自分自身の関わり方を変える努力をするのです。

自分より、息子が変わることを願う気持ちが強くなると、「家の手伝いくらいしてほしい」と求めたり、「いつになったら働くの!」と責めたり、「もう何を言っても駄目…」と諦めたりしてしまうもの。そうした心は、本人に言わなかったとしても、相手に伝わり、共鳴していきます。自分がマイナスの思いを抱けば、相手も同じ感情が引き出されるのです。ですから、そうした感じ方は、気付くたびに、祈願しながら修正を図りましょう。

母親は、家庭という木の「幹」です。幹がどっしりと安定していれば、枝葉である子供も、安心して、心を開けるようになっていきます。どこまでも、柔らかく、優しく受け止めることで、息子も、何でも話せるようになるのです。

子供が苦しい思いを語ってくれたなら、じっくりと耳を傾け、気持ちを受け止めます。そして、「あなたにはこんな良さがあるよ」と存在を認め、信頼していることを語るのです。時には、「これ重いんだけど、運んでくれる?」などと頼り、「ありがとう、本当に助かったわ」と感謝を言葉にして伝えましょう。

人間は誰もが、世に役立つ「運命」の力を宿されて、生まれています。その力は、心が安らぐ家庭の中で、育ち、引き出されます。家族に喜ばれ、感謝される体験を重ねることで、「自分にも、人の役に立てる運命の力がある」と自覚できます。その積み重ねに自信が持てて、社会へ出ていこうとする勇気が湧いてくるのです。

家庭は 真実の愛を育み
     「心の道」を太くつなぐ
              魂の苗床
家族で「教え」を学ぶことで
 人間(ひと)の魂(こころ)は安定し
   「真理」で関わり 支え合う
      愛情(おもい)を強くする
この愛情(こころ)が
       奉仕心を芽吹かせ
  「運命」に守られ 「正道」をゆく
         人間(ひと)を造る

令和7年4月23日 信者心の基勉強会 家庭編

我が子への向き合い方と並行して、社会とのつながりを広げていくのも大切です。身内や親族との縁を深めたり、福祉や行政の窓口を訪ねたりすれば、支えてもらうこともできます。もし、本人に心の病の可能性があるなら、適切な治療を受けられるように、寄り添いましょう。

親自身が、出会う人に豊かな心で触れ、生き生きと毎日を過ごすこと。積極的に人と関わって生きる姿こそが、最高の“お手本”として、子供の心に映ります。社会へ踏み出していく力となるのです。