認知症の母と、父と私の三人暮らしです。小さい頃から何かと母に抑え付けられ、気持ちを聞いてもらえたことがありません。認知症になって、さらに我が強くなりました。自分の意見を押し通してくる母を受け止めきれず、どう関わっていけばよいのでしょうか。(50代女性)
A
同じ言動であっても、感じ方は人それぞれ。ムッとする人もいれば、傷つく人も、何も感じない人もいるものです。つまり、悩みの原因は、相手にあるようで、実は自分の受け止め方にあります。
「こうあってほしい」と、母に求める思いが強まるほど苦しくなります。認知症によって、もともとの性格が強く表れている現実を、まずは受け入れましょう。責める思いでいては、母親の心も一層不安定になり、互いにぶつかり合う一方です。
相手を変えようとするのではなく、自分が、自身の感じ方、実体に流されないように、祈願しながら、優しく寄り添っていくことが大切です。本人の思いをよく聞いて、できることで応えていくのです。
家族一人一人が 任と立場を知って
正しく関わる意識を持つ
時の流れの中で 家庭の姿も変化し
一人一人の任と立場は移ってゆく
和心育つ家庭の姿を知って
「教え」で心重なる家庭を築く
努力を欠いてはいけない
その努力が 家族の和心を育て
運命の力を引き出し
「心の道」に良き因を残してゆく
『真実の光・神示 令和4年版』135ページ(中略あり)
神は、家庭を立ち木に例えて、家族の関わり方を教えてくださいます。幹である母を支えるのは、根である父の役割。両親が支え合うところに、母の心も安定します。子供、枝の立場にある自分は、分を越えずに、親への礼も欠かないように寄り添うことです。
親が生み、育ててくれなければ、今の自分は存在しません。それだけで、感謝の思いを持つべき存在なのです。視野を広げて思い返せば、母の悪い面だけではなく、たくさん愛を注いでもらってきた事実にも気付けるはずです。それに気付けたなら、心にゆとりが生まれて、温かく関わっていけるでしょう。
介護の負担が大きい場合は、一人で抱え込まずに、肉親・身内や、介護サービスなどにも頼っていきましょう。