職場で新人の育成担当をしています。これまで、上司に何を言われても、私は耐えてきました。しかし、今の若い人は、嫌な思いをすると、相談もなくすぐ辞めてしまいます。上司からは一方的に、私の監督不足と責められて、苦しいです。(30代女性)
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仕事は、一人ではできず、人間関係が付き物です。誰とも円滑な関係を築けてこそ、自分の力を発揮することもできます。そのためには、「奉仕の心」を持つことが必要です。「奉仕の心」とは、相手の心を大切にし、積極的に、自分の良さを生かして役立とうとする心です。
注意されたなら、素直に受け止め、謙虚に改めていく。人の弱点が気になったときは、厳しく指摘するのではなく、自らが“補う”。そうした姿勢を心掛けるところに、必ず信頼される存在となっていけます。自分の考えも、しっかり聞いてもらえるようになるでしょう。
人間関係の基本は、会話です。思いを交流してこそ、縁の深まる会話ができます。上司の言動にただ耐えるのではなく、言葉の裏にある「思い」に目を向けましょう。すると、自分の成長を願う気持ちなど、見えてくるものがあるかもしれません。自分も、部下という立場を踏まえて、相手が受け止めやすい言葉を選び、タイミングにも配慮して伝えていきましょう。上司が求めていることをつかんで、誠実に応えていくのです。
また、後輩が相談しづらい雰囲気が自分にないか、冷静に見詰め直すことも大事です。「仕事には慣れた?」などと温かく声を掛けていけば、相手も「こんなに親身になってくれる人の期待に応えたい」と意欲が湧くでしょう。
人生を決めるのは、自身の心の動きです。「上司は理不尽」「新人はすぐ辞めてしまう」といった先入観があると、人との関わりは深まりません。心と心は共鳴します。素直で、誠実で、優しい、奉仕の心で人に向き合っていくなら、相手からも同じ心が返ってきて、円満な関係を築いていけるのです。
仕事は
奉仕の心が身に付くほどに
万象の関わりが生かされて
大きな成果を生む
よって 奉仕の心を知り
身に付ける努力が大切
この思いが深まるほど 人間は
「正道」に生き
多くの人々に愛され 信頼される
ますます
奉仕に生きる思いが引き出され
仕事が楽しい時間(もの)と
成って行く
(令和7年3月23日 信者心の基勉強会 仕事編〈中略あり〉)
人間関係の構築は、まず身近な家族から取り組んでいきましょう。今であれば、苦しい思いを素直に語り、家族のアドバイスに耳を傾ける。「ありがとう」と感謝を伝える…。そうした日々の積み重ねに、人の気持ちを大切にする「奉仕の心」が育まれ、自身の人柄になっていきます。人間関係で悩むことなく、自身の力を発揮していけるのです。