(鹿児島県TU/60代女性/パート)
夫を亡くして2年。子供はいません。介護が必要な義母と暮らしています。
夫が元気だった頃、義母とは、いつもけんかばかりしていました。私と義母を気遣ってくれた優しい夫がいなくなり、心に穴が開いたようでした。
でも、ある時、「寂しいのは自分だけじゃない」「息子を亡くしたお母さんは、もっと寂しいのではないか」と気付いたのです。そうした心を思って接していくと、義母も自然と「ありがとう」「お世話になるね」と気遣ってくれるようになりました。自分の心遣い一つで、相手の心がこんなにも変化することを目の当たりにして、本当に驚きました。神の教えで心遣いの大切さを何度も学んできましたが、それを強く実感しました。
施設に入所した義母ですが、103歳の誕生日は自宅で過ごさせてあげようと、外泊を申し出ました。ところが、施設側からは、体調的に難しいと言われてしまいました。
その上、一週間も熱が下がらず、「もしかしたらもう…」と思い、自宅でみとるため、退所を決心したのです。義母は、以前から「最期は自分の家で…」と言っていたので、心づもりはできていました。何より、そうすることで亡き夫も喜ぶと思ったからです。
退所から半年がたちます。義母は、家に帰ってきたのがうれしかったようで、熱も下がり、ずっと元気に過ごしています。そんな姿を見ると、私自身も、心身ともに元気でいなければと思います。周りには、「嫁のあなたが、なぜわざわざそんな苦労を」と言われますが、そうは感じません。時々おいが手伝いに来てくれ、知人からも何かと声を掛けてもらい、ありがたく思っています。心から義母をいとおしく感じる毎日です。