No. 68

医療ミスを機に深まった感謝心

(千葉県IH/60代女性/自営業)

昨年、腰痛の手術をしました。長年悩まされてきたこともあり、医師に「簡単な手術です」と言われてさっさと日程を決めたほどでした。

ところが手術後、腰から左足にかけて異常な痛みに襲われたのです。ようやく痛み止めが効き始めた時、医師から「手術中に神経に触れてしまった」と聞かされ、頭が真っ白になりました。夫も、かなり動揺したようでした。

それでも、医師の誠実な姿勢に、「ミスをしたくてしたわけではない」「自分も、仕事でお客さまにけがをさせたことがあった」と当時の自分とも重なり、不思議なほど心が穏やかになっていったのです。「起きてしまったのだから、責めるよりもしっかりリハビリしよう」と思い、医師に「よろしくお願いします」と伝えました。

その後の治療には、医師も、スタッフも、親身に関わってくださってありがたいです。まだ膝から下の感覚がなく、しびれも残っていますが、家族が助けてくれています。

特に夫は、夜中に私がトイレに行こうとすると、自分も起きて、たった数歩の距離を一緒に歩いてくれます。どこへ行くにも、手を差し出して、つえ代わりになってくれるのです。この夫でよかったなと心底思います。これまで夫に不満ばかり言っていましたが、今は心からの感謝でいっぱいです。私も、家事や仕事など、今の自分にできることで精いっぱい夫を支えたいと思っています。

もともと人を責めるタイプの自分が、驚くほど後悔や責める心がないのは、神の教えを学んでいたからこそと思います。多くの支えの中で生活できる毎日に、感謝しかありません。