保育教諭として働く私は、ことし4月下旬、突然、別の園への異動を告げられました。
新年度がスタートし、自分なりの目標を持って取り組み始めていた矢先だっただけに、「なぜ、こんな中途半端な時期に…」と納得できませんでした。しかも、これまでは保育リーダーを務めていたのに、新たな職場には若手のリーダーがいるため、立場も変わります。どうにもならない複雑な思いを抱え、新たな地に赴任しました。
神の教えで我に返って
心のもやもやを打ち消してくれたのは、『友輪』や教会図書、公式サイトで学んだ「神の教え」でした。
仕事の喜びや生きがいは、環境が与えてくれるものではない。「自分がどれだけ人の役に立てたか」「どれだけ出会いを生かせたか」にある。そう気付けた時、どこで働いても関係ない。園児や先生方、保護者など、関わる方々のために精いっぱい心を尽くそうと、我に返れたのです。
不満を持ちやすい、自分の感じ方にも気付きました。思い返せば、以前の職場でも、同僚や後輩に対し、「あれができていない」「これでは駄目」と言い過ぎたり、やり過ぎたり。誤解されることもしばしばでした。それでも、園長は、「そういう角度で物事を見るのは大切なこと」と評価し、頼ってくださっていたのです。
気付きを糧に、人に心を尽くす
反省や感謝の気持ちとともに、「これまで培った経験を生かし、弱点は修正しながら頑張っていこう。もっと相手の“心”を考えて、誤解されない関わり方を意識しよう」と決意しました。若手のリーダーに対しても、「私の引き出しにあるものを全部、提供してあげたい。お役に立っていきたい」という気持ちで助言していくうちに、信頼関係がどんどん深まっていったのです。
実習生のお世話役も任されました。緊張している若者の思いを感じ取りながら、「あなたの笑顔は本当にすてき。子供たちは、笑顔のある先生を信頼するから、頑張って」「とても大切なところに気付けているから、自信を持って」などと個々の良さを褒め、向上できるように支えました。翌日、早速良い変化が見られるなど、生き生きとした若者の姿に、うれしさが込み上げました。
今、一年の締めくくりの12月を迎え、どんなときも教えを学び、心を立て直してきたからこそ、全ての出会いを「御礼」の色に染め上げることができたと感じます。ことしの心の成長を、新たな年にしっかりつないでいきたいと希望に胸を膨らませています。