No. 343

台風の不安の中、見えた光
掛け替えのない家族の縁
(佐賀県HS/60代女性/会社員)

9月7日、100年に一度ともいわれる台風が、九州地方を襲いました。ニュースをはじめ、不安に恐れおののく声が飛び交う中で、私は「家族の絆」に大きな安心感を味わったのです。

遠慮がちな性格で義母と疎遠に

10年以上前に、最愛の夫を亡くしました。もともと遠慮がちで、人との縁が深まりにくい性格の私は、残された義母との距離感が分からなくなってしまいました。気にはなっていたものの、連絡することをちゅうちょしていた関係でした。友人には「距離を置いてもいいんじゃないの」と言われましたが、夫の気持ちを思うと、心がすっきりしないまま過ごしてきました。

台風の接近により、風雨が強くなり始め、避難を呼び掛ける防災無線と、携帯のアラーム音が鳴り止みません。義母は、古い家に一人で住んでいるので、心配が募っていきました。

揺れる思いを神に語るうちに、「家族として心配している思いを伝えよう」と心が定まり、思い切って連絡してみたのです。

身内として関わる思いを力強く

「お母さん、大丈夫ですか?」と問い掛けると、「こがん時にも気を遣ってくれて、ありがとうね」と、義母はうれしそうに答えてくれました。いろいろ話す中で、「あんたにばかり苦労を掛けとったね」と言われ、その言葉に、今までの遠慮が吹き飛んでいく思いでした。

さらに、疎遠だった夫の妹とも連絡が取れ、「母を気遣ってくれてありがとうございます」と感謝の言葉を伝えてくれました。長年の心のハードルが、一瞬のうちになくなったのです。「私は人との縁が深まらないタイプ」と決め付け、ハードルを高くしていたのは自分でした。

神の教えで自分の課題に気付いて、修正していける。神の力はものすごいです。

その後も、義母たちとは大切な身内として、関わりを深めています。そんな中、認知症気味だった義母の症状に改善の兆しが見えてきて、本当にうれしく思いました。

他のものには代えられない家族の縁。絆を深められたことに言いようのない喜びが込み上げてきます。