No. 329

親子で乗り越えた不登校
身の丈以上の仕合せな日々
(横浜市HC/50代女性/パート)

ことしの春、三男が定時制高校を卒業し、社会人になりました。

中学一年で、部活の人間関係につまずいて不登校になった時は、現実を受け止められませんでした。来る日も来る日も「きょうこそは」という思いで起こし、粘り、そして諦めて、学校に欠席の連絡をしてから泣く…。そんな状態でした。

我が家の実状を受け止める心に

私の心は、不安、焦り、息子を責める心でいっぱいでした。それでも、苦しい思いを神に語りながら、教えを学び続けるうちに、少しずつつらさが消えていったのです。いつしか、布団から出ずに引きこもっている姿を見ても、心が揺れず、受け止められるようになりました。「心が救われる」ということが、言葉だけではなく、実感できた瞬間でした。

息子は、相変わらず布団の中でスマホゲームをする毎日。でも、私の心が穏やかになったからか、息子の優しい一面が見えてきました。私がお土産に持って帰ったお菓子を「ママは食べたの?」と、必ず聞いてくれたり、一つしかないおまんじゅうを家族全員に切り分けてくれたりするのです。

「どうして学校に行けないの?」と息子を責めてばかりだった自分の心が、自分を苦しめていたことに気付きました

前向きな心が子供にも伝染

中学校を卒業する頃には、息子の心にも変化が出てきました。自分から「定時制高校に進学したい」と言い始めたのです。

「すっかり痩せ細った足で通えるだろうか…」「人間関係は大丈夫だろうか…」という私の心配をよそに、友人もでき、部活も掛け持ちをし、最後まで元気に通いきりました。卒業前には、研究したことを、全校生徒の前で発表するという晴れ舞台の代表に選んでいただき、感無量でした。

今は、毎朝早起きをして生き生きと仕事に出掛けていきます。先輩にかわいがられ、家では父親といつも仲良く話をしています。私の誕生日には、欲しかった掃除機を給料でプレゼントしてくれました。こんな日々が訪れるとは、想像もしていませんでした。

受け止めきれない苦しいことがあっても、教えを学んで自分を変えていけば、身の丈以上の仕合せを味わうことができる。そのことに感謝でいっぱいです。