No. 1242

限界を感じていた介護生活
どこを切り取っても感謝に
(愛知県HA/50代女性/無職)

これまで病気知らずだった母が突然、脳梗塞で倒れた7年前。医者からは「かなり重症」と告げられ、現実を受け止められないまま、私の介護生活は始まりました。

何とか退院できたものの、右半身まひと失語症が残った母と2人の生活は、一緒に階段を上るだけで一苦労。近所には、介護の仕事をしている妹がいます。しかし、手伝いを頼むと、「嫌だ。休みたいなら、心を鬼にしてショートステイでも使ったら」などと言われ、協力体制はゼロ。心も体も疲れきり、限界を感じていました。

自分目線から「妹目線」へ

神の教えでは、「家族で話し合って」と学んでいますが、妹は短気で、言葉を一つ間違えると大げんかになってしまいます。ただ、母は私たちが仲良くする姿を願っているだろうと思うと、何とか仲良くできれば…。それも本心でした。

神の教えを学ぶ中で、初めて「妹から見た私」を考えるようになりました。「とっつきにくさがあったかな」とか、「素直に手伝えない態度を取っていたかも」などと感じるようになったのです。そこから少しずつ見えてきた妹の思い。「休みの日くらい体を休めたかっただろうな」。自分の感じ方が、見る見る変わっていくのを実感したのです。

母の健康も大きく守られて

そんな中、驚くべき変化がありました。今までは頼っても「知らない」「やらない」としか言わなかった妹が、「たまには友達とご飯行ったら? お母さんは私が見るから」「一緒にランチどう?」と優しい言葉を掛けてくれるのです。

母は、脳梗塞発症後も、急性胆のう炎、盲腸がんと幾つも山があったものの、ご守護の中、何事もなかったかのように乗り越えました。医師は、「こんなに重症な脳梗塞を経て、いまだに自宅で過ごせて、寝たきりにもなっていないなんて…」と驚きます。デイサービスの職員にも、「これほど回復の早い人はいない」と驚かれたほどです。

「今が人生で一番いい時」に

気の強い母が、自分で思うように話したり、動いたりできず、どうなることか…と思いましたが、毎日、笑顔しかありません。ただの一度も泣いたり、イライラしたり、落ち込んだりしないのです。

母の笑顔は少女のようで、私に「純粋な心」を見せてくれているよう。笑顔一つで大切なことを教えてくれる母は、やっぱり私のお母さん。尊敬の思いがあふれます。これまで気軽にスキンシップができる感じではなかったのに、今はお互いぎゅっとハグ。一年一年、母と心が通い合っていることを感じます。

妹も休みのたびに様子を見に来てくれたり、「ボーナスが出たから」とお小遣いをくれたり…。どこを切り取っても神のご守護を感じられる、こんなにありがたい介護生活はありません。「今が人生で一番いい時!」と、心からの感謝でいっぱいです。

「道」の真理に生きるなら 人は誰も 神の手の中導かれ 楽しい人生歩み抜ける
 家族それぞれ 立場わきまえ 声掛け合って 生活すること
介護――家族の心 支え 補い合って 心の負担は生まれない
 いついつまでも 家族の心 神の手の中守られて 健康に暮らしてゆけるのである

「道」の真理に生きるなら
  人は誰も 神の手の中導かれ
        楽しい人生歩み抜ける
 家族それぞれ
  立場わきまえ 声掛け合って
            生活すること
介護――
 家族の心 支え 補い合って
        心の負担は生まれない
 いついつまでも
  家族の心 神の手の中守られて
    健康に暮らしてゆけるのである

『真実の光・神示 平成19年版』111ページ(中略あり)