No. 248

無口な父への苦手意識
心の扉を開いたものは…
(群馬県HS/30代男性/児童指導員)

今まで父が苦手でした。父は無口で、食事の時も会話するのは、母と自分だけ。声を掛けて、ひと言返事があればいい方で、このままではいけないと思いつつも、心の中で責め、距離を取るようになりました。

家族として自分がどう関わるか

しかし、神の教えを学ぶうちに、自分から家族に関わる大切さや、命のルーツである親を受け入れることが、自分の仕合せにつながると気付いたのです。

それ以来、父と向き合う心を持てるよう、神に願いながら過ごしました。なかなか現状は変わらず、自分から話し掛け続けるのは、気力が必要でした。諦めの気持ちが出るたび教会に行き、心を立て直しながら取り組んだのです。

そんな中、父が定年退職をして、時間ができたことで、食事を作ってくれるようになりました。最初は失敗することもあり、母が感想を伝えると、父は「だったら食わなきゃいい」と、声を荒げていました。その様子に、私はまた嫌な気持ちになってしまいました。

思い込みから解放されて前進!

でも、その後も一生懸命料理を作る父の姿に、ふと「そうだ。手伝おう」という気持ちが湧いてきたのです。気が付けば、「何か手伝えることある?」と声を掛けていました。すると、父は「じゃあ、これを頼む」と、快く返事をしてくれました。

父と何かを一緒にするのは初めてに近い経験で、自然と会話ができたことに驚きました。そして、自分が素直に関わることで、こんなにも反応が違うのかと思いました。これまで、いかに父を先入観で見ていたか気付いて、反省しました。

もっと親子の縁を深められるように、自分から関わる姿勢を心掛けていきます。