(宮城県YI/60代女性/美容師)
「神は、心の奥の奥を見ている」。教会行事でそう耳にした時、ドキッとしました。勉強会で学んだとおり、夫婦仲良く…と必死に努力してきた私。うつ病を患い、転職を繰り返す夫を支えるため、美容院を切り盛りしながら、一人娘を育て上げました。夫の借金も返済しました。でも、「心の奥にあった思いは…」と見詰め直したのです。
「支えなければ…」と思う半面、しんどくて、何度、離婚を考えたか分かりません。表面的にはいかにも尽くしているようでも、「私が家族を養っている」というおごりもあり、強い言葉をぶつけてしまうことも。「何やってんの!?」「何で私ばっかり…」「働いたらいいっしょ!」。自分の中の冷たい気持ちに気付いた時、夫に向ける心根を変えたいと、本気で思ったのです。
夫の気持ちに思いが向いたら…
相手を思いやり、受け止められるように…。もっと度量深い自分に…。神に祈願しながら、毎日意識していきました。あらためて見えたのが、夫の優しさです。夫は、自分にできることは、何でもやってくれる人。免許のない私が、あそこに行きたいと言えば、二つ返事で車を出してくれます。仕事に追われているときは、お願いしなくても、一生懸命に家事をしてくれました。夫の優しさに、私だって支えられてきたのだと、ようやく気付けたのです。
見えない“気持ち”に思いが向くと、夫のたわいない話にも、真剣に相づちを打てる自分に変われました。大切に思う“気持ち”が伝わるのか、夫の言動も明るく変化。精神状態が安定し、表情も生き生きとしてきて、関わる私の心一つで、これほど変わるのか…と、ただただ驚きでした。
心の内を話してもらえる自分へ
そんな中、夫が体調を崩して入院。うつ病の薬が原因のパーキンソン症候群でした。確認すると、薬の説明欄には、確かに副作用について書かれていました。なのに、忙しさにかまけて把握していなかったのです。「気付かなくてごめんね」と伝えると、夫は、「お母さんのせいじゃないよ」と泣いていました。申し訳なさとともに、支えたい気持ちがますます大きく膨らみました。
「どこがつらい?」「何が食べたい?」「何でも言って」。これまでの関わりを改め、気持ちを知ろうと心掛ける毎日です。夫も、「震えて歩けないのが不安」などと、心の内を話してくれます。ある時、「私も苦しかったけど、お父さんの方がもっと苦しかったんだよね」と伝えたら、顔がぱっと明るくなりました。相手の思いに寄り添うひと言…。それが、家族として、何より大切だったのです。
仲の良い姿を娘に見せたい
今、私の心にあるのは、我慢でも、義務感でもない、一緒に生きられる喜び。夫には仕合せでいてほしいと、心底願う自分がいます。ありがたいことに、夫は退院。震えがなくなり、足取りもしっかりしました。
少し前には、娘にも、「今まで不安にさせてごめんね。これからは仲良くするからね」と伝えました。どこか夫から距離を置いていた娘も、それ以来、「お父さん、お父さん」と、何かと声を掛けてくれています。時に、心が揺れる瞬間もありますが、今後は我が子に、心底仲の良い夫婦の姿を見せていきたい。だからこそ、何が起きても、夫と心を一つに乗り越えていきます。
和心育つ家庭を求めて
「真理」に生きてごらん
自然と 家族の心は
寄り添い 重なり合って
支えて「生きる」心が育ってゆく
家族の触れ合いを通し
心の不安 迷いは治まるのである
神に思いを預け
日々「真理」に生きる心が
強くなるほど
心の動きは安定し
「生きる」希望が持てる
(平成25年7月1日〈中略あり〉)
