(青森県YH/70代女性/主婦)
我が子が健やかに成長し、年に1回は家族旅行へ。2人の子供が独立したら、夫婦でのんびりと…。そんな人並みな仕合せも、思い描いていた夢も、突然失いました。何の心の準備もないまま、夫は一人で旅立ってしまったのです。「私を置いていくなんて…」「もっと話したかった」「二人でやりたいことがたくさんあったのに…」。込み上げるのは、喪失感と後悔ばかり。時間が止まったまま、ただ生きているだけの毎日でした。やがて息子が就職し、娘も結婚して一人になると、ひきこもり状態になってしまいました。
人の温かさが心に染みて
そんな私を心配して、信者仲間が偉光会館へ誘ってくれた時のことです。足を踏み入れると、職員や居合わせた人が声を掛けてくれました。「大変でしたね」「待っていましたよ」。私を思ってくれる人がいるなんて…。人の温かさが心に染みて、涙があふれました。「閉じこもっていてはいけない」。止まっていた時間と心が、ようやく動き始めた瞬間でした。
“なりたい自分”が次々に
神の館で学び、仲間と触れ合うにつれて、「豊かな心になりたい」「相手に温かい関心が持てる人に」と、“なりたい自分”が次々に出てくるのです。日頃、見過ごしていたものに気持ちが向き始め、音楽を聞けば「いい音だな」、花を見れば「一生懸命に咲いてきれいだな」。心がどんどん潤っていくのを感じました。
人と関わることが苦手で、回覧板をそっと置いていた私です。それが、相手の目を見て挨拶し、庭の草取り中に見掛けた隣人に、「一緒に抜いておきますね」。自分の変化に驚きました。隣人から感謝され、庭で咲いた花を差し上げると、「きれいですね!」と喜ばれて…。一人で楽しむより、何倍もうれしい! 初めて味わう感覚でした。
自分から関わってみたら…
大雪に見舞われ、近所に住む娘夫婦が心配して駆け付けてくれたある日。2人には何となく遠慮があり、婿には近寄りがたい雰囲気を抱いていたのです。そんな私に婿が、「僕たちがしますから、お母さんは家の中にいてください」と。優しさにじんとし、感謝の思いを伝えたくて、2人の好きな物を用意しながら待ちました。お礼を言うと、娘たちからもお礼が返ってきて、和やかなひとときに。感じの良い婿なのに、私には全然見えていなかったのです。勝手に思い込まないで、自分から温かい心で関わっていく大切さを、つくづく感じました。
縁を深める生き方を
人との会話が少なかった私が、自分から声を掛けているきょうこの頃。人と関わる喜びを知り、ちょっとした植物の成長にも感動し、色鮮やかな毎日が送れることに感謝でいっぱいです。離れて暮らす息子も、何かと連絡をくれ、何げない人の優しさがうれしいです。今の私は、「仕合せです」と胸を張って言えます。
10年以上も引きずっていた深い喪失感は、もうありません。夫の遺影に向かって、「お父さん、家族や多くの人たちと、仲良く、元気に暮らしているから安心して」と語り掛けています。限りがある人生だから、一回一回の出会いをいとおしみ、人との縁を深める人生を送りたい。人の心を潤せるような、心の豊かな人を目指します。
年々歳々 万物は
有限の時(時代)に
姿(存在)を刻んでゆく
教えを学び
「人生」に生かさんとする
思いを強くするほど
日々の変化をいとおしむ
「心」が芽吹くと申す
出会いをいとおしみ
一日一日の変化を受け止め 感動し
心豊かな人と成長してゆく
(平成27年12月29日〈中略あり〉)

