(大阪府NO/60代女性/パート)
義父が亡くなった2年前、私たち夫婦は、突然、相続問題に直面することに。きっかけは、義母が義妹に伝えたひと言です。それが大きな誤解を招き、夫ときょうだいの間に、深い溝ができてしまいました。義母がとりなそうとしても難しく、一方的に責められた夫は、険しい顔をして黙り込んでいます。「まさかこんなことが…」と、私も気持ちが乱れました。
目指す姿が明確になると
それでも、どこか冷静に「このまま縁を切ってはいけない」と思えたのは、夫婦で神の教えを学んできたからです。どうしたら解決できるのか…。夫と受けた教務相談で、目指す姿が見えました。全員が納得できる着地点を見いだすために、みんなで話し合うこと。そうした“心を大切にする生き方”こそが本当の財産であり、子孫に残していくべきもの。ちょうど息子夫婦が出産を控えていたこともあり、深く気持ちに残りました。夫に起きたことは、“私たち”の問題です。「心一つに向き合おう」と、二人で決意しました。
まずは自分から心を開いて
あらためて夫婦の関わりを見詰め直せば、できることがありました。会話です。私も夫もお互いに、気持ちを語ることが苦手なのです。言いにくいとのみ込んでしまう自分を反省し、気持ちを伝えていこうと思いました。「こうなんだけど、どう?」。傷つけないよう、言葉を選びながら伝えると、夫は「そうなんだ」と受け止めてくれます。それだけではなく、いつの間にか夫自身も、「つらかった~」などと話してくれるようになりました。
そのうちに、見えてきました。「夫は気持ちを語らない」と思っていたけれど、私にも話しづらい雰囲気があったはず。「もっと夫の気持ちを受け止められる自分になりたい」。広く大きな心を求めて祈願しました。そうして言葉を交わすほど、何としてもきょうだいと向き合いたいという、夫の頑張りが伝わってきます。話し合いがある日には、「行ってらっしゃい、頑張って」と、これまで以上に、心を込めて見送るようになりました。
掛け替えのない“財産”を手に
時にはぶつかりながらも、何度も繰り返した、夫ときょうだいの話し合い。少しずつ妥協点が見え始め、ことしに入って無事に解決することができました。「終わりました、ありがとう」。LINEから、これまでの夫の努力が思い返され、胸がいっぱいに。その後、義父の法要で、義妹たちと2泊3日を共にしましたが、この2年間がうそのような、楽しいひとときでした。そんな私たちを見て、誰よりも安堵(あんど)したのが義母だったと思います。私自身も、夫婦で心を重ねれば、何が起こっても大丈夫という自信が持てました。
今、「じいじ、ばあば」と慕ってくれる孫を見ながら思います。家族、親戚と心を重ねて生きる人生は、何よりの“宝物”。さらに磨いて、掛け替えのない子や孫につないでいきたいです。



――仕合せの基(もとい)は
和のある家庭――
この「真理」を心に留めよ
家族で「教え」を学ぶほど
家族の心は安定し
互いに声掛け 愛情(あい)が育つ
家族の心をつなぐ愛情(あい)が
家族の実体を高め
「心の道」を太くしてゆく
『真実の光・神示 令和6年版』90ページ


