(東京都HS/60代女性/パート)
家族と縁が薄い私…。母は昔から愚痴っぽく、泣き言や周りへの不平、不満を聞くのが嫌でした。芯は優しい姉も、口が悪くてちょっと苦手。その上、二人は激しくぶつかり合うこともしばしば。十数年前に父が亡くなった時も相続のことでもめ、心の距離が開いていたのです。
相手の思いが見えたら…
家族は仲良く…。神は何度も言われます。だから、いよいよ一人で暮らせなくなった母を、我が家に引き取りました。母との会話はやっぱり億劫(おっくう)だったものの、まずは話を聞くことを意識。祈願しながら、「大変だったね」「つらかったね」。親身に耳を傾けるうち、「苦労の多い人生を歩んできたんだな」「それなのに、私のことをこんなに考えてくれて…」と、徐々に母の思いが見えてきました。
そんな中で起こった、母と姉のけんか。原因は、新潟にある実家のことでした。近所迷惑にならないよう、更地にしたい母。一方の姉は、空き家のままで…という意見。二人の考えは相いれず、言いたいことがあると、「こう伝えておいて」と私に頼んできます。当初は、「思いをうまくつなげられたら…」と考えていたものの、次第に心が疲弊し、とうとう体まで壊してしまいました。
教務相談で気付いたのは、私の中に、姉を責める心があったこと。そんな気持ちを抱えていては、分かり合えっこなかったのです。マイナスの感情をなくしたい。姉の気持ちを理解したい。そこで、思い切って尋ねてみました。「何でそう考えるのか、教えて」と。すると、「私やあなたの子供、孫…、みんなに負担がないと思ったから」と、穏やかに話してくれたのです。「ここまで家族のことを考えてくれていたんだ」。初めて姉の心に触れ、その優しさが身に染みました。
心が通い合う確かな手応えが
その後、母と姉は直接話すように。時折ぶつかっても、気にしていない様子で、すぐまた連絡し合っています。少し前、姉が久しぶりに我が家を訪れた時、母は終始仕合せそうにほほ笑んでいました。「長生きしてね」と母を抱き締め、帰宅した姉。二人の姿に胸がいっぱいでした。
私の体調も良くなって、最近は、母と一緒に食事作りや、洗濯物を畳むのが仕合せです。母は気を使って「いいよー」と言いますが、毎日お風呂にも入れてあげています。「お母さんが気持ちいいなら、全然苦じゃないよ」それが今の本当の気持ち。気付いたら、母の愚痴も減っていました。
以前とは全く違う親子関係に
思えば18歳の時、就職を機に家を出た私。心にあったのは、生まれ育った環境を好きになれない気持ちでした。しかし、相手の思いを知るほど、心が近づいていきました。「お母さんが頑張ってきてくれたから、私たちは仕合せなんだよね。ありがとう」と伝えた時の、母のうれしそうな表情は忘れられません。こんな親子になれるなんて、以前には考えられなかったことです。いつも私の話を穏やかに受け止め、支えてくれた夫にも感謝しかありません。実家をどうするか。今の私たちなら、みんなの納得のいく結論が出せそうです。
確かに生まれた「心のつながり」。ますます強くするために、これからも「家族仲良く」を実践していきます。
「心(運命実体)」で生きる人間は
「道の真理」に生きるほど
家族の「心(思い)」
重なり合って
悔いなき人生を歩み抜ける
「道の真理」が家族の心を結び付け
その家の「心の道」を
太くするのである
『真実の光・神示 平成22年版』105ページ