No. 1558

避けていた両親との関わり
本音で向き合い見えた喜び

(東京都RS/50代女性/パート) 

久しぶりに実家に顔を出したのは、3年前。父に怒鳴られ、下を向く母の姿が目に飛び込んできました。その表情は暗く、まるでこの世の終わりのような顔をしています。まさか、こんなことになっているとは…。「両親と関わると面倒だし、当たり障りなく付き合えばいい」。長年の思いが一気に吹き飛んでいきました。 

「自分から」歩み寄ってみると

父と言っても、実の父親ではありません。母の再婚相手です。当時、私は18歳。仕方なく受け入れたものの、父は短気で自分勝手で、同居には強い抵抗がありました。母への不満も重なって、私自身が結婚してからは、両親との付き合いは「うわべだけ」。神の教えで、「家族」の大切さを学んではいても、これだけはどうしても変えられなかったのです。 

「このままじゃいけない」。一念発起した私は、毎週実家を訪ねることに。そんな私の決心を、夫や子供たちは温かく支えてくれました。特に夫は、「こういう気持ちで向き合ってみたら?」などと一緒に考えてくれて、とても心強かったです。最初はいぶかしげだった父も、次第に待っていてくれるようになりました。共に教えを学ぶうちに、会話も弾んでいったのです。

そうして、両親と出掛けた時のこと。父が車を車椅子専用スペースに止めていたと気が付きました。以前なら、心の中で責めるだけ。でも、「どうしてここに?」と尋ねてみたのです。すると、ハッとした様子で「次からは絶対やめる」と言ってくれました。先入観を持たずに会話をすれば、ちゃんと分かり合える! 向き合うほど、純粋で飾らない父の良さも見えてきました。 

どんどん続く“好転”の連鎖

私が30年越しに、初めて「お父さん」と呼んだ日。父は、それはうれしそうに、母に伝えたそうです。「『お父さん』って呼んでくれた」と。気が付くと、父は母のために料理をしたり、洋服を選んだり。怒鳴ることが減っていきました。母自身も父と教えを学び、時には教務相談を活用し…。どんどん顔が明るくなったある日、私に言ってくれました。「これからは、孫のためにも心を磨かなくちゃね!」。そのひと言がうれしくて、ありがたくて。心にあった葛藤は、きれいに消えていきました。 

家族と共に、力強く前進を

最近では、私自身も家族との向き合い方が変わってきています。「夫や子供たちと会話が少ないな」と気付いたとき、自分から声を掛け、話をすることが増えたのです。「家族の縁を深める」感覚が、つかめてきたのだと思います。亡き実父に対しても、「命をつないでくれた」感謝が深く湧いてきました。 

思えば、親への感謝が薄く、そのことに気付けもしなかった、かつての私。今、こんなにも心が変わり、家族と思いが重なる喜びを味わっています。少しずつ、でも確実に、夫や息子たちと共に、「おじいちゃん、おばあちゃん」との縁を深めていきます。

神の教えを我が家に入れる
 まずは自ら 学び 深めて
         生き方に生かすべし
求める心もほどほどに
 そこに 家族との調和が生まれ
   生きる楽しみ 声掛け合って
          安心感が味わえる

『真実の光・神示 平成17年版』111ページ(中略あり)