(山形県ME/60代女性/美容師)
「仕合せになりたい。仕合せってどんな心?」。40年ほど前、神示教会の信者になったばかりの頃、考えていたことです。
私は、温かい家庭とは程遠い環境で育ちました。両親は長年別居した後、離婚。母の再婚相手は酒乱で、毎日が生き地獄。22歳で結婚し、両親と私たち夫婦で暮らし始めたものの、夫とも心が通わない…。どん底の中で信者になったのです。
「心」に目を向けてみると…
こんな我が家も、神の教えを学んで変わりました。まずハッとしたのは、自分の「心」の向きでした。たとえ同居していても、父母と私たちは別の家族。ところが、私の心は父母にばかり向いていたのです。自分の家族を大切に、両親には分、立場をわきまえて関わる。そう意識するうちに、少しずつ夫婦の心が重なり始めました。
夫に対する見方も変化。食事の味付けにあれこれ言われると、口うるさく感じていたのが、受け止め方が驚くほど前向きに。「夫は家族がおいしく食べられるように、私の腕に期待して言ってくれている」。夫の「心」を感じて、料理が楽しくなったのです。いつからか夫は、「きょうもおいしかったー」と満足そう。うれしくてたまりません。
最後は感謝で送ることが
父の「心」も見えてきました。「家の中に居場所がないから、お酒を飲むんだろう。どんなに寂しかったことか…」。「心」が見えたら取れた、責める思い。あれほど恨んだ酒乱を自然と受け入れられて、父の心の内を聞き、家族みんなで温かく、楽しく関わっていきました。すると、ぴたりとお酒を口にしなくなったのです。最後は施設に入ったものの、スタッフから「血のつながった親子でも、ここまでできない」と言われるほど、家族中で愛をかけられました。そして、育ててもらった、子供たちもかわいがってもらった。「ありがとう」そんな気持ちで送ることができたのです。まさか、あの父との出会いに感謝して、別れの時を迎えられるとは…。神の力の大きさを実感するばかりです。
母の生き方を受け継ぐ決意を
その数年後に、母も心の世界へ。故人の魂の安泰を願い、御魂送りをお願いする儀式、明魂祭で、母が良い因を残し、大往生したと伺いました。苦労の多かった母が安心して旅立てた…。神に感謝しかありません。しかも、母の生き方が、「我が家の宝となり、仕合せの基となる」とも。その言葉に、母が高めた生き方をしっかり受け継ぎ、ますます磨きをかけて、子や孫にバトンタッチすることを誓いました。
何でも話せる我が家に
今、4人の子供はそれぞれに家庭を持ち、孫は10人。子供たちの伴侶も悩みを打ち明けてくれるほど、何でも話し合え、気に掛け合える最高の家族です。時に、考えが違っても、「言いにくかっただろうな」などと、相手の「心」を思い浮かべると、歩み寄っていけるから不思議。何より、子供たちが夫婦で心を重ねているのを感じるたびに、胸が熱くなります。
温かい家庭に縁遠かった私。それが、神と歩んで、愛のあふれる家庭が手に入りました。家族みんなでもっと仕合せに。そのために、さらに愛深い自分を目指します。
「教え」を学ぶほど
人生の真実が見えてきて
家族と関わる心が分かる
「教え」を 人生の支えに生きる
人間(ひと)は
家族との関わりを通し
「真実の愛」が芽吹き 育つ
「真理」で関わる家庭が
家族それぞれの実体を
大きく引き上げ
開運かなう 心の動きが取れる
人間(ひと)を育てる
(令和6年6月1日 信者心の道勉強会 『友輪』342号10ページ〈中略あり〉)