No. 1304

「お父さんは駄目な人」
責める心が氷解する奇跡
(静岡県NK/40代女性/派遣社員)

幼い頃から、家庭内に飛び交っていた「離婚」の二文字。父は音楽をやってきた人で、会社勤めが性に合わず、転職の繰り返し。生活は苦しく、両親はけんかの日々。私が高校生の時、ついに離婚したのです。 

ふと思いをはせた父の人生

私と弟は、母と暮らし始めました。「お父さんは駄目な人。私がしっかりしなきゃ」。高校を中退して就職。その数年後に、父がくも膜下出血で倒れたと連絡があったのです。会話も歩行もできるまでに回復したものの、社会復帰は難しく、介護施設に入居しました。 

「肉体的に追い込まれていたのかな…」。心によぎったのは、不思議なことに恨みでも憎しみでもない感情でした。母から、父自身が幼い頃、実父との別れを経験し、寂しさを抱えていた…という話も聞いていたからでしょう。父の心の支えになりたくて、母や弟と見舞うようになったのです。 

少しずつ見えてきた親の本心

会いに行くたび、父はエレベーターが閉まる瞬間まで見送ってくれます。「いとおしいな」。私の心は変化していきました。そんな中で、母が亡くなったのです。深い悲しみを癒やしてくれたのは、父でした。 

父に会うほどに深まる思い。借金や転職ばかりしていたけれど、「父なりに、一生懸命生活を良くしようとしていたんだな」「家族を仕合せにしたかったんだろうな」と感じるようになったのです。それを父に話すと、「うん」と。そのうなずきは深く、責める心は消えていきました。 

母が亡くなって1年後、父を亡くしました。恋人との別れも経験し、手足を失ったかのような日々…。しかし、ここから私の人生は変わっていきました。神の教えに触れるたびに見えてくる生き方のズレ。感情的で、不安になりやすくて、いつも誰かを頼って…。これからは自分の人生を生きよう。弟や姪(めい)に神の教えで関わっていこうと、確たる軸ができたのです。 

両親からもらったものを大切に

父が亡くなって5年。先日、「明生の儀(法要)」を受けました。儀式の中で父に送る言葉を考えながら、気付きました。私は、本当は父が大好きだったのです。子供の頃、「お父さんと結婚する」と言ったり、人に優しくする姿を見て、ほれる気持ちに近いものを感じたり。「ドラムをやりたい」という頼みだけは聞いてもらえなかったのは、その道の厳しさを知っていた、親の愛だったのかな…。そんな気持ちにもなりました。 

弟とも、「苦労させられたと思っていたけれど、二人とも体を張って育ててくれた。この年になると分かるよね」と。思えば、父も母もとても純粋な人で、私たちは、二人からそういう心を頂いているのだと感じます。両親の姿を思い返しながら、私も純粋に、誠実に。これから先、何があっても逃げずに向き合って、強く生きていきたいと思います。

命ある今 人としてなすべきことは
    「真理」に生きて 我が家の「心の道」をつなぐ努力をする
 この思いを身に付け 「人生」を歩んでゆけば
    多くの出会いに心(人生)支えられ 世(社会)に奉仕する人(存在)と成る
 「心の道」をつなぐ人生に 先祖の心(魂)も安心 安定
 生まれくる次の「人生」も 大きく実体を引き上げられ
    より良き運命の下 生きがい多い人生が歩める

命ある今 人としてなすべきことは
  「真理」に生きて
    我が家の「心の道」をつなぐ
             努力をする
 この思いを身に付け
      「人生」を歩んでゆけば
  多くの出会いに心(人生)支えられ
    世(社会)に奉仕する
          人(存在)と成る
 「心の道」をつなぐ人生に
     先祖の心(魂)も安心 安定
 生まれくる次の「人生」も
     大きく実体を引き上げられ
  より良き運命の下
      生きがい多い人生が歩める

『真実の光・神示 令和2年版』12ページ