No. 182

安らかだった父の旅立ち
神と歩む人生の価値を実感
(大阪府KT/50代女性/パート)

昨年の秋に、父が89歳で旅立ちました。仕事が好きで、家族思いの父でした。

晩年、入院してからは、体がしんどいはずなのに、つらいそぶりは一切見せず、見舞いに訪れた私たちを満面の笑みで迎えてくれました。そして、「来てくれてうれしい。でも早く帰って家のことをしなさい」などと、いつも家族のことを気遣っていました。

そんな父に、母はずっと寄り添いました。そして、旅立ちの時も母がそばにいたのです。眠っていると思ったほど、安らかな最期でした。

残された母も元気な毎日を

その後、一人になった母が寂しくないように、家族で話し合い、私たち夫婦が住むマンションの上階に引っ越してくることになりました。

80歳を過ぎ、住み慣れた土地を離れての生活は不安なはず…。「少しでも心地よく過ごしてほしい」と思い、近所に挨拶をして回ると、皆さん温かく受け入れてくれました。

母は毎朝、山並みから昇る朝日のぬくもりに包まれながら、ラジオ体操をしています。父が亡くなったら、どれほど悲しむかと、家族は心配していました。ところが、近所の方も感心するほど、とても明るく、前向きです。母自身も「不思議なくらい心が穏やかで、ありがたい」と、元気に過ごしています。

旅立った父が安心できるように

こうした両親の姿を通して、神と共に歩む人生は、何の心配も要らないとあらためて実感しています。 父のいない寂しさもありますが、私たちが仲良く暮らしていくことで、安心感を届けたいと思います。そして、家族を大切にし、神と共に歩んだ父の生き方を、今度は私たちがしっかりと子や孫へつないでいきます。