鈴木史子道事(すずき・ふみこ)

豊かな心で暮らせる仕合せ

70代の女性信者の方から、「今、本当に仕合せです」と声を掛けられました。この方の一人娘は、知的障害があり、養護学校を卒業後、20代半ばで糖尿病を患いました。親が食事療法に一生懸命になり過ぎて、全く話ができない娘さんのストレスになり、精神的に不安定な状態になったこともあります。数年前にインシュリンを打ち始めて元気になったものの、奇声を発するようになり、ご主人と二人、眠れない日々を過ごしました。

夫婦で神の教えを学んで子供と向き合った時に、「何でこういう子供を産んでしまったのだろう」と周囲の目を気にして、隠そうとする思いがあったことに気付きました。夫婦の心の擦れ違いでけんかになった時、子供は一人で泣いていて、親として言葉を話せない娘のつらさを分かっていなかったことも見えてきました。いろいろなことが思い起こされ、夫婦の心を見詰め直すことができたそうです。

その娘さんも、47歳になりました。「命の山を乗り越えて、寝たきりの生活ですが、時には車椅子を夫婦で押して、近所の桜を見に行けるまでになりました。穏やかな日々を送れることに感謝です」と、語ってくれました。その時、思い浮かんだのがこの神示です。

「今」を感謝する
    この心は 過去を引きずらず 未来にとらわれない
    心ゆったり 潤いある今の自分が見えているのである
──「愛」に満たされた人の心は豊かゆえ
    今に満足 きょうに感謝 生きる姿に強さがみなぎる──

「今」を感謝する
    この心は 過去を引きずらず
      未来にとらわれない
    心ゆったり
      潤いある今の自分が
        見えているのである
──「愛」に満たされた人の心は
  豊かゆえ
    今に満足 きょうに感謝
      生きる姿に
        強さがみなぎる──

『真実の光・神示 平成15年版』150ページ

私は、長野偉光会館に赴任して間もなく2年になります。今、長野は、厳しく刺すような寒い冬を乗り越え、爽やかな信州の風を感じる夏を迎えました。毎朝、窓を開けると、八ヶ岳が目の前に見えて、さらさらと川の流れる水の音に加え、「チュチュチュ…」とかわいい鳥のさえずりが聞こえてきます。早朝のすがすがしいひととき、すてきな感動から一日がスタートします。

今年は、コロナ禍や豪雨などで、私たちの生活が大きく揺れていますが、いつの時代も、「仕合せ」は、遠くではなく、身近な所にあるのではないでしょうか。神の教えを学び、心の目で仕合せを見つけて、心豊かな毎日を送っていきたいと思います。