No. 1439

絶縁状態に近かった母との仲
長年の「怖さ」を乗り越えて
(大分県MM/30代女性/契約社員)

長年、ふたをしてきた母への思い…。子供の頃から厳しい人で、進学も就職も、私の意見は無視され、全て母の言うとおりにしました。その母に一度だけ歯向かったのは、結婚を決めた時。お付き合いすらも猛反対される中、「この日に家を出るから」とだけ伝え、実家を飛び出したのです。 

「今しかない」という思いで

その日以来、実家の敷居をまたがせてもらうことはできませんでした。私自身、一人で暮らす母のことが気にはなっていましたが、「怖くて近づけない」。この思いが圧倒的に勝り、気が付けば8年の月日が流れていました。 

私の中に充満していた親を避ける心。それが「心の道を断ち切る生き方」であり、今後の人生にどれほどの影響を及ぼすか…。神の教えから気付き始めたのは、ごく最近です。考えてみると、母と祖母も仲が悪く、妹も母を避けています。図らずも繰り返されている「親との縁が薄い実体」。これを修正するのは「今しかない」。強く思いました。 

言葉や態度の奥にあった母心

母に会いに行こうと心を決め、妹に声を掛けたものの、乗り気じゃない様子。まず、2人で偉光会館に行くことにしました。その時に受けた教務相談で、職員から「お母さんの内面を見てくださいね」と言われたのです。 

母は言葉が強く、態度もぶっきらぼう。でも幼い頃、鼻炎の私に、体にいい薬をずっと買ってきてくれた記憶があります。「飲まんね!」と、その言い方はきつかったけれど、私を大切に育ててくれた母の心が、少し見えた気がしました。「本当は仲良くなりたい」。そんな本心を偉光会館で祈願し、帰り道に妹と、母の元を訪ねました。 

次々に体感する不思議な変化

出てきた母はいつもの口調で、「はよ上がらんね」。よく見ると、目からは涙があふれていて…、そっと拭いていたのです。 

母は、認知症の祖母と住んでいて、祖母にも久しぶりに会えました。帰り際に、「お母さん、助けが必要なときは言ってね」。自分でもどうしてこんな言葉を掛けられたのか…。不思議で仕方ありませんでした。 

「母が怖い」という気持ちが消えている。これは本当にすごいこと! 神が、心をお守りくださっているからです。それからというもの、自分の気持ちを抑えて生きてきた私が、夫に素直に話せるようになって、夫婦仲ももっと良くなって…と、仕合せの連鎖が続いています。 

親子の縁が深まり始めた奇跡

先日、妹や姪(めい)っ子たちと一緒に実家に行くと、母は、姪っ子へのプレゼントを用意していました。それは、私たち姉妹が幼い頃に着ていた子供服…。袋いっぱいにきれいに詰めて、待ってくれていたのです。 

不器用な母の、「丈が長い服は、ミシンで縫っておくから」という言葉に、母なりの愛を感じる私がいます。ようやく深まり始めた親子の縁。まだまだこれからの私たちですが、神が温かく応援してくださっているのを感じます。 

人間は
「心の道」にその家の因を受け継いで
    神の手の中 この世に生まれる
神示「真理」が 「実体」を教えている
 実体を知って
     「真理」に生きるなら
  人間は皆
    運命を磨き
     「運命」に重なる
          心の動きが取れる
運命が磨かれ
  実体を高め合う
     家庭環境に身を置くことで
           人生は守られる

『真実の光・神示 令和5年版』56ページ(中略あり)