(石川小松偉光会館TM/60代女性)
今年の春、96歳の義父が心の世界に旅立ちました。皆さんに、「天寿を全うされましたね」と言っていただいた義父。しかし、私たち夫婦には、「もっと何かしてあげられたのでは…」と悔いが残っていたのです。
葛藤を抱えつつ、できることを
「今できる親孝行は…」夫と話し合い、先に亡くなった義母と一緒に、義父の明魂祭(後日の葬儀)を申し込むことに。それからは、あらためて夫婦で儀式の意味を確認したり、子供たちと連絡を取ったり…。家族で声を掛け合い、準備を進める日々でした。その中でも、私にはある葛藤がありました。世間知らずの私に、いろいろ教えてくれようとした義父母。しかし、それによって傷つくことも多かった私。心の中には、感謝だけでなく、小さな“しこり”も残っていることに、気が付いていたからです。
深く感じた義父母の愛
家族全員がそろった、明魂祭当日。儀式が進むにつれ、不思議と義父母の存在をそばに感じます。にこにこと笑顔で、私たちを見守ってくれているようなのです。そして、「故人に贈る言葉」を伝える場面を迎えた時のこと。祭壇に向かって、思いを伝えようとした私の目に、どっと涙があふれてきました。用意してきた文章も、なかなか読み上げられません。何とか言葉をつなぎ、やっとのことで伝えた「ありがとう」の思い。それは、何の曇りもない、本心からの感謝でした。「自分ではどうにもできなかった心を、儀式を通して神が清めてくださった」。驚きながらも安堵(あんど)に満ちた、何とも言えない穏やかな感覚を味わったのです。
良い生き方を残せるように
儀式を受けてから、不思議と義父母の存在を身近に感じます。朝夕ご挨拶をしていても、目の前で受け止めてくれているような気がするのです。夫も、安寿居にお祭りした信枠(しんわく)を見ては、安心したような、うれしそうな表情。「良かったね」と話しています。魂の救いがかなう、神示教会の儀式。そして、自力では変えられない心を、悔いのない方向へと導いてくださる神の愛。感謝でいっぱいです。