(神奈川県KO/50代女性)
「家族、親戚みんなで行きたいな」。病床の父が最期に行きたいと言った場所。それが偉光郷でした。
波のように揺れる心を抱えて
父に大きな病が見つかったのは、祖父を見送って、しばらくたった頃のことです。ご守護の中の闘病生活は、父らしく、朗らかで穏やかな時間に。そして、父が旅立った後は、母親同然の存在だった叔母、大好きな祖母…と、立て続けに家族を送りました。母やきょうだいと心を重ね、夫に支えられて、精いっぱい向き合ってきてはいても、募る寂しさは拭えません。揺れる心を祈願する繰り返しでした。
「神玉の儀」であふれた思い
大切な家族の玉(遺骨)は、数々の思い出がある偉光郷へ。「神玉の儀」(納骨)の際、みんなを送った時のことが、自然と心の中を巡りました。命の瀬戸際に立つ祖父に、「おじいちゃんの思いを受け継ぐよ」と語り掛けると、すっとその目に涙がこぼれたこと。病院のベッドでも正座し、祈願していた父。叔母は顔をほころばせ、祖母はゆっくりと深呼吸して眠るように、それぞれ閉じていきました。神と共に生き抜いた、家族の人生。そして、私は、その心を受け継ぐと誓ってきたのです。
我 人の道 きょうまでの道
うれし 楽し 心ゆく道
悔いなき人生
心穏やか 朝日のごとく 光に包まれ
ああ温かや
春のぬくもり 身を包む
このぬくもりに心休まる
(平成10年2月16日『真実の光・神示 増補版〈昭和60年~平成14年〉』202ページ)
伝導師が読み上げる神歌が温かく胸に染みて、涙が止まらなかったです。
祖父、父、叔母、祖母。それぞれが、深い愛情を注ぎ、育んでくれた家族。私の宝物であり、掛け替えのない存在です。その大切な人たちが、また次に生まれてきた時は、さらに仕合せであってほしい。だから私も、我が家の心の道をしっかり受け継ぎ、磨いていこう。そんな熱い思いが込み上げて、儀式の後からは、少しずつ、自分の心と向き合えるようになっていきました。
家族の笑顔を胸に、前を向いて
今、偉光郷で、「頑張ります!」という気持ちを届けると、不思議と「頑張って!!」と励ましてくれる、みんなの笑顔が浮かんできます。旅立った家族は、私に教えてくれました。共に生きられる「この時」が、どれほどありがたく、貴重な時間であるかを。その一日一日を、きょうも、精いっぱい前を向いて生きていきます。