○千葉県・YKさん(60代女性)
先日、駅のエスカレーターに向かって歩いていた時のことです。女性に支えられて歩く、白杖(はくじょう)を突いた男性を目にしました。
先にエスカレーターに乗って振り返ると、白杖の男性は一人で乗っています。女性は、エスカレーターまでのサポートだったようです。降りてから改札口までは距離があります。「大丈夫かな?」と気になり、自然と体が動いていました。
男性が歩き始めて、2、3歩進んだ所で、「何かお手伝いできることはありますか?」と声を掛けたら、「ありがとうございます。改札口までお願いします」との言葉。腕を添えて歩き出すと、「駅員さんですか?」と聞かれました。「いきなり話し掛けて失礼しました。先ほどサポートされていたのを見たので、声を掛けさせていただきました」と答えたところ、「ちょうどいいタイミングだったので、駅員さんかと思いました」とうれしそうに言われたのです。
改札口で、「もう大丈夫です。ありがとうございました」と言われ、「それでは、点字ブロックまでご一緒しますね」と言って別れました。その後、電車に乗りながら「これもご縁」と思え、ジーンとあったかい思いでいっぱいになりました。
これまでも、人のために動こうと心掛けてきたつもりでしたが、「ここまでやらないと役に立たない」と、自分でハードルを上げ過ぎていたことに気付きました。最初に見かけた女性の姿から、「できることを自然にしていけばいいんだ」と分かり、その出会いにも感謝です。感動でいっぱいの、極上の一日でした。