ほっこり、仕合せのタオル

○静岡県・KWさん(60代男性)

もともと疎遠気味だった私と両親。2人の介護を家内ばかりに任せていました。それが、がんの治療を機に仕事を辞め、幸い寛解してからは、私が両親の介護を行うようになったのです。

私とはけんかばかりだった父なのに、デイサービスでは歌を歌ったり、率先して手伝ったり、「ありがとう」と感謝を忘れないそうです。認知症の進行に伴い、暴れることがあり、会話が成り立たなくなっていく父を、職員さんや利用者さんが温かく受け入れ続けてくださいました。

皆さんに感謝を表したい。私は、父の首に巻いたよだれかけ代わりのタオルに、「ありがとう」などとマジックで書いて、デイサービスに送り出すことにしました。帰ってきた父の首元に、ふと目をやると、タオルに「大好き」「待っているよ」と返事があるのです。家内と私は、「お父さんは行いが良かったんだね。皆さんによくしてもらえて仕合せ者だね」「居場所をつくってくれて感謝だね」とほのぼのした気持ちになりました。

そこから、職員さんとのタオルのほっこり交流が始まり、時にイラスト付きのメッセージを頂き、楽しませていただいています。どこにでもあるタオルが、私たち家族と職員さんをつなぐ仕合せのタオルに変わりました。

介護は大変で、時には投げ出したくなることもあります。だからこそ、家族をはじめ、多くの人々の支えがどれほど大切か。感謝の思いが尽きません。心を尽くして介護していこうと思わせてくれた“ほっこり仕合せのタオル”は、私の心の宝物です。

神の教えでつかんだ仕合せのコツ。どうぞ、ご家族にも共有してください。皆さまでほっこりしつつ、見えたコツを家族で生かしましょう。

日常で見つけた“小さな仕合せ”を、ぜひお寄せください。

しあわせ通信
社会で光る人