「皆に会いたい」家族の絆が生きる力に

○東京都・HIさん(70代男性)

実家で一人暮らしをする私の母は、92歳。月に一度、通院治療を受けることが決まり、妻と2人で付き添うことになりました。

先日、久しぶりに私の子供や孫が実家に集まり、母と共ににぎやかに過ごしました。ところがその時、母は突然嘔吐(おうと)に見舞われてしまったのです。救急車で病院に運ばれ、検査の結果、腸に穴が開いているとの診断。「このままではあと数日の命。手術すれば、助かる可能性もある」という厳しい宣告でした。

神のご守護とはすごいものです。運ばれた病院が、偶然、日頃通院している所で、しかも休診日にもかかわらず、ちょうど手術のできるスタッフがいてくれたおかげで、安心してお任せできました。

手術は成功。回復するにつれ、母は「皆に会いたい」としきりに言うように。それを聞いた妻が、即座に「それなら自宅療養がいいね」と言ってくれました。その言葉を母に伝えただけで、見る見る食欲が出てきたのが不思議でした。

やがて、無事退院。実家での介護生活が始まり、妻はもちろん、妹も手伝ってくれています。

朝、母が「きょうも一日世話を掛けるね」と言うので、妻と「大丈夫、安心して任せて」と答えます。そんな何げない会話を、とても喜んでくれます。母がやることはゆっくりで、ファスナーを上げるにも時間がかかるものの、待っている時間がゆったりと流れて心地いいです。「お母さんの喜ぶことは何でもやってあげようね!」と、家族で話し合う毎日です。

神の教えでつかんだ仕合せのコツ。どうぞ、ご家族にも共有してください。皆さまでほっこりしつつ、見えたコツを家族で生かしましょう。

日常で見つけた“小さな仕合せ”を、ぜひお寄せください。

しあわせ通信
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